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「飛翔会・ライドシャフト合同例会2017」開催される
 5月14日(日),長崎県歯科医師会館(長崎県長崎市)にて標記イベントが開催された.飛翔会〔会長:田中直樹氏(福岡県飯塚市/たなか歯科医院)〕およびライドシャフト〔会長:宮田浩光氏(長崎市/みやた歯科医院)〕とは,それぞれ福岡県内,長崎県内の歯科医療従事者によって構成され,職掌の垣根を越えて研鑽を積むことを目的として活動するスタディグループである.今回は両会所属の歯科医師,歯科技工士による発表が行われ,両会会員ら約20名が参加した.
 「咬合器付着を再考する」では歯科技工士の里 京平氏(ランアップデンタルクラフト),新坂久範氏(新坂デンタルラボラトリー),内藤匡博氏(Dental Laboratory Belleza.いずれも長崎市)らが,模型の咬合器付着に際して生じる誤差やエラー低減の取り組みとして,各種石膏の硬化膨張率が模型変形に与える影響,ラボサイドでのマッシュバイトの取り扱い,GoA描記前に咬合床で咬合高径を決定する/しないが人工歯排列後の高径に及ぼす影響についてリレー形式で述べた.
 続いて古賀義一氏(福岡県久留米市/ハイテックデントフクオカ.歯科技工士)が「たかが噛み合わせ されど噛み合わせ」と題し,咬合に関する考え方が従来は“顎関節中心”だったものが神経筋機構との調和の重視へと変遷したこと,解剖学的基準点の設定が歯科医師と歯科技工士のコミュニケーションにおける基準(スタート地点)になることなどを訴えた.
 澤本佳宏氏(長崎市/澤本歯科医院)は「歯の自家移植において2種類の方法を実施し比較検証した症例」をテーマに,欠損部位への対応法としての自家歯牙移植の特徴を整理するとともに「移植歯に対し事前に矯正的挺出(Ext)を施すことで歯根膜が伸展し厚みが増す」「移植歯の歯根膜にエムドゲイン(EMD)を塗布することで良好な歯周組織の治癒と歯根吸収・炎症抑制効果が見込める」との文献レビューに基づき,いわゆる通法とExt・EMD併用法による自院での自家歯牙移植症例の予後をそれぞれ検証したほか,自家歯牙移植では適応症の判断が重要になるとした.
 「前歯部審美修復における補綴処置の選択基準」と題して登壇した小坪義博氏(久留米市/こつぼ歯科)は,前歯部の欠損補綴におけるアプローチとしてインプラント,ブリッジ,義歯(ノンメタルクラスプ)を挙げ,昨今ではインプラントがファーストチョイスとされるケースが多く見られるが,配列や骨の状態,患者の年齢等よっては必ずしもインプラントが適切とは限らず,ブリッジや義歯でも十分に患者の高い審美要求に対応できること,特に欠損部位の隣在歯が修復歯であったり,患者が歯冠形態の改善も希望していたりする場合はむしろブリッジのほうが対応しやすいことなどを,前述の各補綴様式によって対応したケーススタディを通じて考察した.

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