Ishiyaku Dent Web

歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士のポータルサイト

第55回日本歯科医療管理学会総会・学術大会 開催される

 7月18日(金)~20日(日)ニューオータニイン札幌(北海道札幌市)において,標記の総会・学術大会が「活力ある歯科医療管理~新しい成長のモデルを求めて~」をテーマに,約260名の参加者のもと開催された(大会長:越智守生氏/北海道医療大学歯学部口腔機能修復・再建学系クラウンブリッジ・インプラント補綴学分野教授).

 学会長講演「改革期にある日本歯科医療管理学会」では,末髙武彦氏から今日までの学会の歴史を振り返り,学会における現状の問題点と今後について,学会の組織,会員・役員の役割,学会の規則,会員と学会との意思・情報の伝達・共有,事業の点検など,部分ではなく全体像からもう一度構築するという提案がなされた.本学会の構成割合は,開業歯科医が57%,大学研究者が24%であり,患者・国民に近い学会ともいえ,社会の動向のなかで「医療の質と安全確保」を目的に取り組む学会の姿勢を会員全員で共有したものとなった.


drsuetaka20140719.JPG
末高武彦学会長

 

 特別講演1(座長:越智守生氏)では,斎藤隆史氏(北海道医療大学歯学部長)が,「これからの歯学教育に求められるもの-北海道医療大学における新時代の歯科医師養成-」と題し講演.歯科医療を取り巻く環境の変化,歯科医療に対する社会ニーズの変化をふまえ,同大学歯学部におけるカリキュラム改編への取り組みとその成果について報告した.

 特別講演2(座長:藤井一維氏/日本歯科大学新潟生命歯学部教授)では,医療の規模や地域・職種に関係なく,医療従事者に患者安全の概念が必要であることを「事故事例に学ぶ,医療安全の支柱-高いリスクと,信頼の中で-」として,長尾能雅氏(名古屋大学医学部附属病院医療の質・安全管理部教授)が,過去に起こった不幸な医療事故を具体的に挙げて解説.情報の遮断が医療事故のリスクを爆発させるとし,チーム内での情報共有,院内での情報共有,患者への情報開示,社会への情報開示が必要であることを強調した.
 続いて,「歯科診療所における医療安全の実際」が五十嵐博恵氏(宮城県 Uクリニック五十嵐歯科院長)より報告された.平成19年に第五次改正医療法が発布され,医療機関の管理者に医療安全が義務づけられてから6年経過したが,管理者が主導して行うべき歯科診療所としての取り組みについての事例報告はほとんど見当たらないこともあり,歯科診療所のスタッフ(歯科衛生士,歯科技工士,助手)への教育,歯科器材の消毒・滅菌の再確認など詳細な報告に会場内の参加者は熱心に聞き入っていた.
 
 2つの特別講演のほか,教育講演,シンポジウム,ランチョンセミナー,イブニングセミナーなど充実したプログラムにより,これからの本学会の新しい方向性を模索できた3日間となった.
 
 次回,第56回総会・学術大会は2015年5月29日~31日,岡山県にて開催される予定.

■他のニュース記事をさがす

日付から記事をさがす
<2024年4月>
31123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
2829301234
567891011
キーワードから記事をさがす

人気の歯科書籍(キーワード別)

歯科雑誌 最新号