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第32回 日本顎咬合学会学術大会・総会開催される

6月14日(土),15日(日),東京国際フォーラム(東京都千代田区)にて,標記学術大会・総会が「新・顎咬合学-一口腔単位から一全身単位へ-」をテーマに開催され,約5,000人の参加者を集めた(大会長:渡辺隆史氏/福島県開業).

14日午前は渡辺氏の挨拶による開会式から始まった.渡辺氏は今回の学術大会のテーマである「新・顎咬合学-一口腔単位から一全身単位へ-」について,乳幼児から高齢者まで幅広い世代をケアすることに「新・顎咬合学」の意義があるとし,そのためには日常の治療の質を高め,患者利益につながる治療とはなにかを考えようと呼びかけた.
続く特別講演ⅠではPascal Magne氏(ジュネーヴ大学/南カリフォルニア大学)が登壇, “No-post No-crown restorative dentistry in anterior dentition”(ポスト,クラウン不使用の前歯部修復歯学)の演題で講演した.氏が得意とする,ポストやクラウンを使わずにコンポジットレジンやセラミック素材のみで行う前歯部修復の技術について,診断や設計法,材料の選び方および使用方などを2時間半に渡りレクチャー.氏が手がけて美しく修復された症例写真が何度も登場し,満員の会場の耳目を集めた.

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開会式で挨拶をする渡辺氏
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特別講演に臨むMagne氏

DHシンポジウム「歯科衛生士が知っておきたい咬合のこと」では,まず山地良子氏(福岡県開業)が混合歯列期における不正咬合を中心に解説.正中離開,叢生,過剰歯,上顎前突,反対咬合など,さまざまななケースについて豊富な症例をもとに乳歯の抜歯時期を含めた治療内容を示した.歯科衛生士もこれらのトラブルを理解し,口腔内をよく観察し,異変を歯科医師に伝えることが正常な交換に役立つとした.
続く後藤邦之氏(愛知県開業)は,不正咬合によっていじめを受けている小児のケースを提示し,学童期における心身両面のケアの必要性を訴え,また,歯科衛生士が交換期に確認すべきキーポイントとして,歯間空隙の意義や吸指癖と不正咬合の関係,永久歯萌出と乳歯脱落のタイミングなどについて解説した.
最後に,解剖学的,機能的な視点から「正しく噛む」ことについて,阿部伸一氏(東京歯科大学解剖学講座教授)が解説を加えた.舌や頬粘膜の動き,役割をはじめ,咀嚼から嚥下までの一連のプロセスをわかりやすく示し,「口腔機能のトレーニングをする際は,どこの筋が働いているのかを意識することが大切」と述べた.IMG_5050.JPG

ニチガクオンデマンドテーブル3セッション6「動機付けから術後メインテナンスまでを考えた補綴修復治療 ≪歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士によるチームアプローチの重要性≫」では南 清和氏(大阪市淀川区/ミナミ歯科クリニック.歯科医師),久保田麻弓氏(同,歯科衛生士),藤本光治氏(同,歯科技工士)の3名が登壇.審美歯科治療を行ううえでの3者のInterdisciplinary Approach(学際的連携)の重要性について解説し,チェアサイドワークにおいては嗜好食品をはじめとした患者情報のヒヤリングの重要性と継続的メンテナンスのポイントを,技工作業においてはプロビジョナルレストレーションを用いて力と炎症,審美のコントロールを図るための要点について,それぞれの職掌から解説した.

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