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第2回 新御茶ノ水摂食・嚥下研究会 開催される

 6月10日(火),東京医科歯科大学(東京都文京区)にて標記会が開催され,歯科医師・歯科衛生士を中心に約90名が参加した.

 第2回の本会は,『認知症患者の摂食・嚥下リハビリテーション』と題し,野原幹司氏(大阪大学歯学部附属病院・外来医長)が登壇.冒頭,「摂食・嚥下障害」は症状名であり,患者が「急性期」「回復期」「維持期(慢性期)」のどのステージにいるかによってアプローチ法が異なることを強調.単に「嚥下障害」という症状名だけをみて対応をマニュアル化するのではなく,原因(原疾患)を捉え,それに適したアプローチをすることが現場の医療職に求められると訴えた.
 本回テーマである「認知症」も症状名であり,これを引き起こす代表的な4疾患のうち,摂食・嚥下に関する病態が現れることの多い「アルツハイマー型認知症(AD)」「レビー小体型認知症(DLB)」について解説がなされた.
 認知症のなかでも最も多くを占めるAD患者では,皿の模様や机の汚れ・シミなどが気になることからずっと拭き続けて食事が摂れなかったり,5~6割の患者に嗅覚症状が生じることから,食事を摂りにくくなっているケースがあるという.またDLB患者では,初期の段階から不顕性誤嚥が顕著に現れるケースが多いなど,同じ認知症であっても原疾患によりそれぞれ特徴があることを理解し,その特徴に応じた対応をとる必要性があるとした. 

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会場からの質問に答える野原氏

 そのほか,現場で使える認知症スクリーニングテスト(逆さキツネ/パレイドリアテストなど)の実演や,食欲不振や味覚障害を引き起こしやすい薬剤の紹介など,氏の臨床実感に基づく解説・分析も加わった.最後に,「キュアからケアへ/訓練から支援へ」の姿勢で臨むことが重要であることが強調され,会は幕を下ろした.
 次回・第3回は7月開催予定である.

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