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日本歯周病学会2014春季学術大会 開催される

2014年5月22日(木)~24日(土),長良川国際会議場および岐阜都ホテル(いずれも岐阜県岐阜市)において,日本歯周病学会2014春季学術大会が,「世界に発信する」をメインテーマに開催された(大会長:澁谷俊昭氏・朝日大).


シンポジウム2「レーザー治療」では,まず歯科用レーザー装置の基本的知識について,岡上吉秀氏(株式会社モリタ)により整理され,続いて山本敦彦氏(大阪府開業),吉野敏明氏(神奈川県開業)より,歯周治療・インプラント周囲炎治療でのEr:YAGレーザーの活用の実際と可能性について紹介された.本シンポジウム冒頭に,座長の吉江弘正氏(新潟大)は「レーザーこそ,日本から世界に発信するトピックである」と述べ,今後のさらなる臨床応用の普及と検証が期待されるとした.


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 歯科衛生士シンポジウムでは,「SRPの今を考える」をテーマに阿部伸一氏(東京歯科大学解剖学講座教授),小田 茂氏(東京医科歯科大学歯科総合診療部准教授),関野 愉氏(日本歯科大学歯周病学講座准教授)が登壇.まず,阿部氏がインスツルメンテーションを行ううえで「歯の形態の理解」は基本であるとして,各歯の形態的な特徴,およびエナメル滴や樋状根,根の癒合などの注意すべきポイントを解説.続く小田氏は,歯肉縁下プラークコントロールの手技と概念について,為害物質の種類,根面への浸透の研究から,現在では為害物質を除去し歯周ポケット内の細菌叢をコントロールする「歯周インフェクションコントロール」という考え方に変遷していることを示した.関野氏は,SRPにおける使用器具による違いや根分岐部病変への対応,フルマウスディスインフェクション,抗菌薬の使用について,文献からそれらの臨床成績について解説した.

 歯科衛生士教育講演では,米山武義氏(静岡県開業)が「超高齢社会における歯科衛生士の役割と老年歯周病学の夜明け」と題して,わが国における高齢者の現状と歯科医療職のあり方について述べた.口腔ケアによる誤嚥性肺炎予防の有効性を実証した自身の経験を絡めて,口腔への対応がQOLの向上に寄与することを強調.歯周基本治療が根本にあり,高齢者の口腔機能や心身に配慮した,歯科医療職による専門的口腔ケアの必要性を訴えた.また,歯科診療所での機能評価や高齢者のブラッシングについても言及し,かかりつけ歯科医師・歯科衛生士として食べる楽しみを維持できるよう専門的に支援することを求めた.

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次回,第57回秋季学術大会は,「歯周病学 温故知新」をテーマに,10月19日(日),神戸国際展示場(神戸市中央区)にて開催予定である.

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