3月29日(土),30日(日),RCC文化センター(広島市中区)にて,標記セミナー(主催:(株)デンタル タイアップ)が約40名の参加者を集め開催された.歯科医院において,院長と各スタッフを結ぶ中核を担うチーフの役割の確認と強化を目的としたセミナーである.
1日目,講師を務める小原啓子氏(デンタル タイアップ代表)は「私たち歯科医療者は,患者満足や自己研鑽については注視してきたが,マネジメント感覚が抜け落ちていたのではないか」と述べ,経営学の基礎について解説.その後,一般企業の中間管理職にあたる歯科医院のチーフには,医院経営の理解や各スタッフのマネジメントが求められているとし,歯科医院の資源(ヒト・カネ・モノ・情報)をどのように活用していくのかという視点から,経営・管理の原則や方法,従業員(人)の欲求段階や動機づけ,自己理解と他者とのかかわり方について講義した.
2日目には,院内の問題発見の基本スキルを学ぶための実習が行われた.実習では,モデルケースとして一般的な歯科医院の詳細な情報が与えられ,参加者は3つのグループに分かれ,ブレーンストーミングによって問題を抽出し,そこから1日目の講義を活かし,医院を変革するためのプロジェクトの立案を行った.
セミナーをとおして,チーフがスタッフを支援する責任ある立場であることが強調されていた.参加者は,そのことを受けとめ,自身の医院に戻ったときに,学んだ具体的な方策をどのように医院のシステムに流し込んでいくかが問われる.本セミナーは多数の医院のチーフが集まる貴重な場となり,情報交換も活発に行われ,盛況のなか閉会となった.