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GC友の会講演会 患者さんに喜ばれるパーシャルデンチャーを目指して 開催される

 2月9日(日),東京国際フォーラム(東京都千代田区)にて標記学術講演会が「患者さんに喜ばれるパーシャルデンチャーを目指して~長期に安定させるための欠損歯列の見かた・欠損補綴のすすめ方~」をテーマに開催された.
 まず永田省藏氏(熊本県開業)が登壇し,本講演会の企画趣旨である可撤性補綴物のメリットを自身の失敗症例とともに解説した.また,演者の3名は「臨床歯科を語る会」というスタディグループに所属し,テレスコープが大切な補綴装置の一つになっていることを述べた.
 日高大次郎氏(東京都開業)は,「パーシャルデンチャーの取り込み悪戦苦闘10年」と題して講演を行った.日高氏は,欠損歯列のキーワードとして,宮地の咬合三角,Eichner分類,受圧条件・加圧因子の3つをあげ,それぞれを臨床でどのように活用していくかを症例とともに解説した.症例はいずれも10年以上の経過があり,そこから導き出される考察は納得の内容であった.
 鷹岡竜一氏(東京都開業)は,「それでもパーシャルデンチャーを選択するとき」をテーマに登壇.鷹岡氏は,欠損歯列の評価はスクリーニングであり,欠損歯列の評価が悪いからといって必ずしも難症例になるわけではなく,欠損補綴の難易度やその後の経過時のトラブルなどによって難症例であるかが決まると述べ,自身が20代,30代,40代で悩んだ症例をもとに解説した.また講演では,支台歯が有髄歯であることの有用性を述べ,すべての支台歯が有髄歯でなくともパーツごとにあるだけで経過はかなり違ってくるとした.
 最後に永田氏が「より良い維持装置の選択や補綴設計を見直してみませんか?」と題して講演を行った.永田氏は,欠損が進んだ症例では残存歯の病態を診るだけでは不十分で,上下の歯や顎堤の対合関係を診ていく必要があり,欠損の状態によって重視すべきことが異なると述べた.そして欠損の状態から考えた補綴装置の選択から,義歯のどこに維持装置を配置するかといった設計のポイントを解説した.
 前日の大雪により交通機関が乱れていたにもかかわらず,多くの参加者を集め,学術講演会は盛況裏に閉幕した.なお,本学術講演会は2月23日に大阪(ステラホール)でも開催される.

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永田氏

 

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日高氏

 

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鷹岡氏

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会場内の様子

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