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第38回北九州歯学研究会発表会開催される

1月27日(日),九州大学医学部百年講堂(福岡市東区)にて,標記発表会が開催された.

発表会は,2題の新人発表と1題の個人発表,およびシンポジウムで構成され,今年のシンポジウムのテーマは「超高齢社会を迎えた今,有床義歯を再考する」.多数歯欠損症例における有床義歯,とりわけパーシャルデンチャーに絞って,多数のシンポジストが症例とともに考え方を披歴した.

新人発表は,樋口 惣氏(福岡市開業),白土 徹氏(福岡県直方市開業)が登壇し,それぞれ支台歯形成を中心として「歯冠修復処置への取り組み」,ブリッジ・ポンティック部の「歯槽堤増大術を行った一症例」を報告した.いずれも臨床に対する丁寧で真摯な取り組みが伝わってくる内容であった.

個人発表では,田中憲一氏(福岡県田川郡開業)が,「インプラントの埋入深度を決定する要件についての考察」で,インプラントの埋入深度と術後の周囲組織の状態の変化について,エビデンスの考察と自身の症例を紹介しながら考え方を述べた.

シンポジウム「超高齢社会を迎えた今,有床義歯を再考する」は,午前の部では野田邦治(北九州市開業),高島昭博(福岡県遠賀郡開業),上野道生(北九州市開業),中野稔也(北九州市開業)の各氏が,主に長期経過症例をもとに有床義歯の長所と問題点を考察した.

午後の部では,大村祐進(山口県開業),松延允資(福岡県京都郡開業),樋口琢善(福岡県飯塚市開業),白石和仁(北九州市開業),甲斐康晴(北九州市開業),樋口克彦(福岡県直方市開業),立和名靖彦(北九州市開業)の各氏が,クラスプを支台とした義歯,磁性アタッチメントやインプラントを支台とした義歯から総義歯に至るまで,さまざまなタイプの有床義歯の設計と製作方法,および独自の工夫などについて紹介した.

最後に下川公一氏(北九州市開業)が登壇.少数残存歯におけるパーシャルデンチャーに焦点を絞り,その問題点の考察とともに,クラスプデンチャーの鉤歯に外傷を加えず長期に機能させるための方法を紹介し,「総まとめ」とした.

臨床経験豊富なベテランから,学ぶ意欲の旺盛な若手まで,幅広いメンバーを擁し,時代の動向をつかんで学び続ける姿勢を維持し続ける,同会の今後の発展に期待したい.

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