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「事例を想定した多職種連携による地域包括ケアシンポジウム」開催される

  1月26日(日),静岡県歯科医師会館(静岡市駿河区)にて,「事例を想定した多職種連携による地域包括ケアシンポジウム」が160名の参加者のもと開催された(主催:静岡県歯科医師会:会長/柳川忠廣氏).

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  本シンポジウムでは,歯科医院での脳血管疾患の発見から,急性期医療,回復期リハビリテーションを経て地域へと戻っていく流れを想定したモデル事例をもとに,関連する職種(歯科医師,外科医師,社会福祉士,ケアマネジャー,サービス事業者,かかりつけ医師)をコメンテーターに,さまざまな段階での支援のあり方がラウンドテーブルディスカッションの形で展開された.
  コメンテーターは,歯科医師:龍口幹雄氏(静岡県歯科医師会),外科医師:藤井浩治氏(静岡市立清水病院長),社会福祉士:古井慶治氏(静岡県社会福祉士会),ケアマネジャー:高橋眞子氏(庵原屋日和館,介護支援専門員),サービス事業者:藤吉康史氏(フランスベッド株式会社,福祉用具専門相談員),かかりつけ医師:松永元良氏(静岡市清水医師会長)の6氏.司会として,望月亮氏(静岡県歯科医師会)が登壇した.

  通常のシンポジウムと異なり,想定事例がメインスクリーンに映し出され,司会者の進行のもと事例が進むにつれ,そこに関わるさまざまな職種が代わるがわるそれぞれの役割を語り継ぐという形式にて進行.
  地域包括ケアでは,利用者を中心に,フォーマル・インフォーマルを含めたさまざまな形の支援者の連携・協働が重要であり,介護保健サービスだけでは埋めきれない支援の隙間をカバーするための方策が求められるが,特に歯科の特徴として,疾病や日常と違う変化の「発見機能」,さらには医科への「つなぎ機能」への期待がクローズアップされた.
  また,プログラムの後半では,参加者を交えたディスカッションが展開され,さまざまな職種からの意見・提案が提示され,チームとして患者の支援に取り組むための合意形成を今後もシンポジウム等を通して継続していくことが確認された.
  地域包括ケアとそのための多職種連携・協働においては,システム整備の重要性はもちろんであるが,その前提として,現場の専門職の個のネットワークの広がりが,支援の充実のためには重要な視点となることも示され,日常からの他職種とのコンタクトや情報交換が,歯科に求められているスタンスであることが突きつけられたともいえよう.

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  なお,本シンポジウムは,『多職種協働によるチーム医療の推進事業(厚生労働省委託事業)』の一環として行われたもので,静岡県下3会場での開催となった.
  他会場では,西部会場(聖隷浜松病院/浜松市中区)にて1月26日(日)に,「ビスホスホネート剤等使用者の顎骨壊死発症リスクの軽減と患者QALY(質的調整年)を考えた口腔管理にかかわる医歯薬連携」が開催された.また東部会場(県立静岡がんセンター/静岡県駿東郡)では2月2日(日)に,「がん患者の周術期から退院後の管理までを支援するための医科歯科協働」をテーマとしたシンポジウムが開催される.

 



 

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