12月15日(日),福岡県歯科医師会館(福岡市)にて標記会が「進歩する歯内治療~診査診断,マテリアル,メソッドの進歩とその臨床効果の実際~」をテーマに開催された.
これまで本会は田中秀樹氏(福岡県開業)を中心とする2つの会「TEP」(若手歯科医師中心)と「秀志会」(中堅歯科医師中心)の合同発表会という形で開催されていたが,2つの会は本年度に「STEP」として新たに発足し,その最初の発表会となった.また,昨年に続いて安東俊夫氏を中心とするPABC,徳永哲彦氏を中心とするR2からも演者が参加した.
シンポジウム1では,「ここだけは押さえておこう!歯内療法」として,今村英之氏,井上育子氏,円林秀治氏,吉田朋洋氏の4人が基礎知識のまとめを行った.シンポジウム2では,アドバンスの内容として,CBCTによる診査診断について荻野真介氏,今井光氏が,エンド-ペリオ病変について中富研介氏が,NiTiロータリーファイルについて葉山揚介氏が登壇した.また,シンポジウム3では近年注目を集めているマイクロスコープの有効性について,宮園香樹氏と長富浩一郎氏が動画も利用した発表を行った.
特別講演では,月星光博氏(愛知県開業)が「若年者の歯髄処置方針-Young Dental Pulp, You Only Live Twice-」と題し,外傷を受けた若年者の歯髄を守るための考え方や処置について,実際の症例をもとに考察を行った.月星氏によるMIの考え方を強く反映し,患者の歯のみならず歯髄まで可及的に保存するという臨床を見て,会場からは驚嘆の声が聞こえた.