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第12回日本口腔筋機能療法(MFT)研究会大会(第1回日本口腔筋機能療法学会大会)開催される

 11月14日(木),津田ホール(東京都渋谷区)にて,標記大会が開催された.2002年に発足した本研究会は,本年9月5日に学会となった.

 シンポジウムでは,武井良子氏(昭和大学スペシャルニーズ口腔医学講座),川端順子氏(兵庫県・カノミ矯正・小児歯科クリニック)がそれぞれ言語聴覚士,歯科衛生士の立場から,「MFTにおける判断のポイントと対応」をテーマに講演した.武井氏は,構音障害を動画を用いて紹介.省略,置換,歪みなどの正常な構音発達における音の誤りと,歯間化の音の誤り,口蓋化構音,側音化構音などといった正常な構音発達ではみられない誤りについて,舌の動きや口腔の状況に言及しながら,その原因と対応を解説した.川端氏は,食べる機能に着目し,捕食,咀嚼,嚥下の各段階における異常や問題を豊富な症例で示し,それらの原因となっている舌や口唇,オトガイ筋などの機能の低下・異常について,訓練方法や患者さんに対応する際のポイントを解説した.

 特別講演「歯亡舌存:多機能器官として舌をみる」小野卓史氏(東京医科歯科大学大学院咬合機能矯正学分野)では,中枢神経系と口腔の末梢器官,特に舌との相互関係が示された.多数の研究報告から,舌が呼吸運動に合わせて動いていることや舌圧が呼吸性のリズムを示すことなどがわかってきており,中枢神経系が舌の運動に大きく影響していると話す.反対に,舌位変化に伴って咀嚼筋の活動に変化がみられる等の研究から,末梢からも中枢神経系にフィードバックがあることが示唆されているという.これらの考察から,小野氏は「末梢だけをターゲットとした矯正治療は必ずしも効果的ではない」と述べ,有効なMFTの確立など基礎研究の臨床への応用に意欲をみせた.
小野先生.JPG小野氏

 その他,山口秀晴氏が「MFT研究会の歩みと学会以降の経緯」と題し基調講演を行い,ラウンドテーブルディスカッションではおよそ50名の歯科衛生士が参加し6つのテーブルに分かれ,MFTを指導するうえでの疑問点や悩みなどが共有,議論された.また前日11月13日(水)には,同ホールにて本学会による第1回研修会が行われた.

 次回,第2回大会は2014年11月20日(木)に,同じく津田ホールにて開催予定である.

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