2013年5月12日（日），大阪大学中之島センター（大阪市）にて，第16回SJCDテクニシャンコースOB会総会が140名の参加者のもと開催された（会長：伊藤泰之氏）．
「今注目する材料を再考する―ジルコニアとコバルトクロムのポテンシャルを向上させるためには－」をテーマに，今まさに注目される両材料について会員が1年をかけて行った実験結果の報告と，両材料に関する権威である高橋純造氏（IDS），伴清治氏（愛院大）による講演を中心に，充実のプログラムが展開された．
午前の部では，コバルトクロムに関する実験結果の報告が行われ，ボンダー，ろう着，メタルフレーム製作上のポイントが整理された．続いて，高橋純造氏が登壇し，コバルトクロムの応用については，高融点であること，酸化しやすいこと，鋳造収縮が大きいこと，を理解したうえで応用することが重要とまとめられた．
午後の部では，ジルコニアに関する実験報告に続き，伴清治氏による講演が行われた．ジルコニアの特徴の整理をはじめ，臨床上のポイントから最新の研究開発動向まで詳細に解説された．特に，昨今話題になるジルコニアの対合歯の磨耗への影響については，研磨のプロセスが重要になるとし，研磨ジルコニアの対合歯への為害性の低さが強調された．また，ジルコニアに関する研究開発のトレンドは，強度面から色調面へと移ってきているとし，さまざまに展開されつつある最新事情についても紹介された．
次々に登場する製品，さまざまに飛び交う情報に踊らされず，自らの判断基準をもって材料と向き合うことの重要性が強調されたプログラムであった．
