3月31日(日),東京歯科大学水道橋病院(東京都千代田区)にて,「All Ceramic Restrationのサイエンスと臨床」をテーマに標記会が開催された.
最初に藤本順平氏(藤本研修会主宰)が登壇し,本年2月にシカゴで開催されたAES,AAFP,AARDの三学会について報告し,演題の傾向や,注目すべきテーマとともに,アメリカの一般臨床家がキャリアを積んだのちも学会に赴いて勉強をし続けている姿勢を紹介した.
石部元朗氏(山梨県開業)は,モノリシックとバイレイヤードそれぞれを詳細に分類し,種類ごとの基本的なシステムから臨床上起こりうるトラブルまで検討を行った.そして,臨床上は適応ごとの使い分けが必要であることを指摘し,症例を呈示した.最後に,ワシントン大学で修士号を取得した氏がアメリカ留学時に行った,Tooth Wear患者に対するフルマウスの症例を供覧した.
午後に登壇した岡村光信氏(福岡県開業)は,これまでのCAD/CAMの変遷から,オールセラミックがどのような進化を遂げてきたのか紹介し,さらに現在のオールセラミックによるチッピングやブリッジの破断など,起こりうるトラブルについて,研究の整理を行った.また,チッピングや破断の起こった症例の詳細な検討も行い,それを踏まえたうえでのトラブルを避けるようにした補綴計画を供覧し,会場の注目を集めた.最後に,修復治療に必須である接着材について,接着システムの違いからメーカーごとの製品ラインナップまで,現状の整理を行った.
他にも,錦織淳氏がインディアナ大学留学からの帰朝報告を行うなど,臨床の第一線にアメリカの最先端知識を提供し続けている本研修会ならではの一日となった.