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第19回JIADS総会・学術大会 開催される

 12月1日(土)・2日(日)の2日間,第19回JIADS総会・学術大会が名古屋国際会議場(名古屋市)にて開催された.
 JIADS(The Japan Institute for Advanced Dental Studies)は,米国でMyron Nevins氏が主宰するIADSの姉妹組織として,小野善弘・中村公雄両氏が,ペリオ・補綴・インプラント等のスペシャリストを育成するために1988年に設立した卒後研修団体である.現在は宮本泰和氏(京都市開業)が理事長を務め,12の研修コースを東京と大阪で開催するとともに,年1度の総会・学術大会を開催している.
 今年の学術大会は,「歯科におけるティッシュエンジニアリングの進歩」をメインテーマに,特別講演の講師としてMyron Nevins 氏の子息であるMarc Nevins氏(ハーバード大学歯学部准教授・ボストン開業)を迎えて開かれた.
 Marc Nevins氏は,再生医療研究と臨床応用で若手の第一人者であり,12月1日には「ティシュエンジニアリングと再生の現状と将来的展望―インプラントと歯周外科の審美的革新」と題して,まる一日の講演を行った.講演では,組織の治療におけるティシュエンジニアリングの研究と臨床応用の進展について概観したうえで,コンビナントヒト血小板由来成長因子BB(rhPDGF-BB)の研究の歴史と臨床応用の効果について,種々の文献をあげて解説.rhPDGF-BBは,単体で用いるのではなく,主に他家海綿骨ブロック移植片とともに用い,またメンブレンとの併用を行うこともあるとのことで,それらが自家骨に置換している経過が多数の組織切片にて提示された.
 さらに,自身の臨床における実際の成果を供覧.歯周治療における歯槽骨再生に効果的に利用することができるだけでなく,インプラント治療におけるサイトディベロプメントにも非常に効果が高いことが,多くの臨床例を用いて解説された.
 rhPDGF-BBはアメリカではFDAの認可を受けているが,日本では未認可.今後の動向が注目される.

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特別講演を行うMarc Nevins氏

 2日間のプログラムは,ほかに歯科衛生士セッションにおける3歯科医院のスタッフ発表と,歯科衛生士向け教育講演,歯科医師セッションにおける8題の会員発表と,再生治療をテーマとしたシンポジウムがあり,多数の歯科医師・歯科衛生士の参加を得て盛会裏に終了した.

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歯科衛生士セッション・教育講演における大住祐子氏

 

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