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2012年臨床歯科を語る会

 7月6日(金)~8日(日),クロス・ウェーブ府中(東京都府中市)にて,2012年臨床歯科を語る会が,180名の参加者を集め開催された(実行委員長:松井宏榮氏/神奈川県開業).

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 6日(金)は,前夜祭の後,仲村裕之氏(神奈川県開業),塚原宏泰氏(東京都開業)を相談役に迎えての若手歯科医師の症例相談コーナーがプログラムされたほか,全国各地から参加した臨床家の語らいが深夜まで続いた.

 7日(土)は,まず5名の会員による新人発表が行われ,いずれも丁寧な治療と,臨床上の現象について真摯な考察を展開し,会場から高い評価の声が相次いだ.
 その後の全体会「KA367でみる偏在と咬合崩壊」では,金子一芳氏(東京都開業),三上 諭氏(新潟県開業)により,犬歯と大臼歯の残存状況,さらに歯周病の状態,咬合力の強弱,咬頭嵌合位の信頼性の5つの指標に着目したチャート「KA367」が紹介され,欠損歯列症例の治療方針の立案や,長期症例の検証のための新しいツールとして注目が集まった.
 午後は,まず3つの分科会「インプラント支台のパーシャルデンチャー」「臨床から学ぶファイバーポストの実際」「上顎大臼歯Ⅲ度根分岐部病変への対応」が開催され,いずれの会場でも,白熱したディスカッションが展開された.「根分岐部病変」の会場では,3根の状況をどのように評価しどのように処置を行うのかについてさまざまな意見交換が行われ,1歯の問題とはいえ,総合的な診断力と治療技術が求められる課題であることが浮き彫りとなった.
 その後,「日常臨床におけるマイクロスコープの有用性」「歯科技工士とともに歩む歯科臨床」「外科小手術供覧」の3題のテーブルクリニックが展開された.「マイクロスコープ」の会場では,日常臨床のさまざまなシチュエーションで活用できるマイクロスコープの実際を,デモを含め解説された.開業医こそが持つべきツールとしてマイクロスコープをとらえるべきステージに入りつつあることが強調された.
 夜の部では,初日に続き若手歯科医師の相談プログラム(相談役:下川公一氏/福岡県開業)が展開されたほか,再び深夜まで尽きない臨床家の語らいが続いた.

 8日(日)は,「総合治療がもたらすもの」新井俊樹氏(東京都開業),「インプラントの過去と現在」西堀雅一氏(東京都開業)の2題の講演が行われた.
 新井氏は,歯根膜を有する天然歯の保存にこだわり抜く自身の臨床スタンスと,そこから導き出された考察を展開.特に歯の移動を巧みに活用した臨床に多くの聴衆の注目が集まるとともに,氏の臨床姿勢に共感が寄せられた.
 西堀氏は,インプラント治療におけるmarginal bone lossの現象から,インプラントのもつ構造的な要素と,周囲の付着構造との関係を,自身の臨床経験と豊富な文献による報告から考察された.インプラント治療に関しては,多くの問題点が未解決であり,それらの解決なくしては,今後もインプラントのトラブルはなくならないであろうことが強調された.

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