12月10日(土),11日(日),日本歯科大学(東京都千代田区)にて標記会が「Longevityを考慮した審美歯科治療」をテーマに開催された(理事長:宮本泰和氏・京都府開業).

初日の歯科医師セッションでは,まず岡昌由記氏(東京都開業),吉野宏幸氏(埼玉県開業),木村基士氏(大阪府開業),田村太一氏(東京都開業),藤家恵子氏(兵庫県),藤林晃一郎氏(京都府開業),鳥潟隆睦氏(大阪府開業)の7名による会員発表が行われた.
その後の「Longevityを考慮した審美歯科治療」では,テーマを①審美領域の歯周治療と補綴治療,②審美領域のインプラント治療に分けて講演.①では,瀧野裕行氏(京都府開業)が「前歯部天然歯周囲に対する外科的治療戦略」と題し,審美領域の歯周外科における歯間乳頭を保存するためのフラップデザイン等を,宮前守寛氏(大阪府開業)が「審美領域の歯周治療と補綴治療-機能美を求めて-」と題し,適切な顆頭安定位における咬頭嵌合位の重要性を説き,咬合高径が低下した症例等の治療の実際を解説した.佐々木猛氏(大阪府)は「清掃性,組織安定性を考慮した審美修復治療」と題して,審美領域における歯周外科時の術式選択のクライテリアを示した.②では高井康博氏(広島県開業)が「Longevityを考慮した審美領域におけるインプラント治療」と題し,1歯欠損に対する予知性のあるインプラント治療の基準を解説した.宮本氏は「審美領域におけるインプラント周囲組織の長期的安定性」と題して講演.長期に維持していくためには骨や軟組織の厚みが重要とし,CBCTで骨を三次元的に診ていく必要があることなどを述べた.また,即時埋入については技術的難易度が高く,適応症を選ぶ必要があることを強調した.

2日目には,New Leader講演として次世代を担う以下の5名の若手歯科医師が講演した.
・「JIADS Conceptの実践-渥美の場合-」渥美克幸氏(埼玉県開業)
・「エンドサージェリーを用いたエンドテクニックを目指して」栗原仁氏(埼玉県開業)
・「JIADS コンセプトの実践,そして継続へ」寺尾豊氏(新潟県開業)
・「包括的歯科治療の実践-さまざまな病態への対応-」水野秀治氏(東京都)
・「歯周治療と矯正治療の連携-矯正用インプラントはより多くの天然歯を保存する-」岩田光弘氏(岡山県開業)
特別講演「歯周・インプラント治療におけるレーザーの応用」では,山本敦彦氏(大阪府開業),吉野敏明氏(神奈川県開業)が登壇.山本氏は,各レーザーの特性を解説した後,インプラント周囲炎に対するEr:YAGレーザーの有効性を症例とともに供覧した.吉野氏は,ハンドスケーラー,超音波スケーラー,Er:YAGレーザーを用いてデブライドメントした歯表面を比較し,Er:YAGレーザーはスメヤー層の形成やセメント質の汚染除去という点で有効性が高いことを解説した.山本氏,吉野氏ともにEr:YAGレーザーはテクニックセンシティブな機器であり,基本を身につけたうえで応用することを強調した.

最後の基調講演「治療結果の永続性を求めて」では,小野善弘氏(JIADS主宰,大阪府開業)が「補綴にかかる前の歯周治療的配慮」を,中村公雄氏(大阪府開業)が「補綴的観点の重要性-治療のゴールがイメージできていますか?-」をテーマに講演.小野氏は,長期的な安定を獲得するうえでは原因除去だけでなく,再発しにくい清掃性の高い口腔内環境を整えることが重要であり,そのためには歯肉,咬合平面,骨レベルの連続性が大切であることを強調した.そして,JIADSのコンセプトを具現化し,術後15年,20年を経ても治療後と同じ状態を維持している症例を供覧した.中村氏は,補綴治療における各臨床ステップのポイントを解説.口腔内や歯列全体を統合的に診査診断できる目を養い,プロビジョナルレストレーションで表現できるよう,地道な努力が必要であることを強調した.