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第49回日本小児歯科学会大会 開催される

 11月28日(月),29日(火),いわて県民情報交流センター(アイーナ)(岩手県盛岡市)にて,標記大会が 「少子化時代における小児歯科の価値」をテーマに開催された(大会長:田中光郎氏・岩手医科大学教授).当初5月開催を予定していた本大会は震災の影響を受け,東日本の復興の進展を祈念するかたちで,このたびの開催に至った.

 一日目,特別講演Ⅰでは,林 林照氏(野村総合研究所)が,患者の意識行動とマーケティングに基づき,小児歯科の現在の課題と今後の方向性について提案を行った.マーケティングの結果によると,小児歯科領域には患者に対して提供できる付加価値が多くあるが,患者側に専門医と標榜医の差異が認知されていないため受診に結びついていないのだという.打開策として,ウェブ,SNSの利用,専門誌を中心とした記事の戦略的投稿など,資金をかけずに効率的な啓蒙活動が行えるツールを提案した.
 藤原正彦氏(お茶の水女子大学)は「日本のこれから」をテーマに,現在の新自由主義的な経済を痛烈に批判し,改革が必要であると述べた.改革の基軸は「国柄」であり,日本の国柄とは,初等教育による一般庶民の学力の高水準,美的感覚,思いやりや惻隠の情であるという.日本の国柄の独自性を強調し,日本人がそのように生きるべきと語った.
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 コデンタルテーブルセミナーには,天野秀昭氏(広島大学大学院口腔発達機能学研究室)と川端順子氏(兵庫県・カノミ矯正・小児歯科クリニック)が登壇.天野氏は,すべてのライフステージにおいて,口腔機能の発達や維持,増進を管理する「Oral Health Manager」としての役目を担う歯科衛生士が求められていると述べ,広島大学で行われている母親教室,保健教育実習,摂食指導実習などの取り組みを紹介した.最後に「専門領域だけでなく,全身をみることができ,ずっと経過を追っていける歯科衛生士になってほしい」と会場の歯科衛生士にエールを送った.続く川端氏は,「成長するこども達と共に歩んできた歯科衛生士」と題し,臨床を通して学んだ口腔機能育成,習癖への対応,小児の予防などについて講演した.習癖への対応については,問診だけでは不十分で,待合室や診療室の観察から早期に気づき,取り除くことが必要,また患者には,ビデオや写真を用いて,自身の習癖を理解してもらうことが有用であると解説した.


 二日目,特別講演Ⅱには,米国にて小児歯科医院を開業している粟村恭子氏(米国・開業)が,米国の小児歯科の現状を紹介した.米国では,小児歯科は人気のある領域で,ワシントン大学では定員6名対して180人の応募があったという.そのほか,わが国の皆保険制度とは異なる米国の医療保険制度における開業医の実態(給与や勤務実態など)についても解説した.
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 前川喜平氏(東京慈恵医科大学)の特別講演Ⅲ「小児科よりみた小児歯科の価値とこれからの対応」では,小児科と小児歯科による保健検討委員会について報告された.「医科と歯科ともに共通の問題があり,小児医療として総合的に取り組む必要があるのではないか」と言及し,2003年に結成された同委員会での取り組みや考えられる成果を例にあげ,医科と歯科の協働の必要性を強調した.
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 特別講演Ⅳでは武田康男氏(北九州市立総合療育センター)が,グリーフケアついて,自身の体験を交え講演.グリーフとは身近な人との死別などによる深い悲しみや苦悩のことをいい,武田氏は歯科医師として口蓋裂など先天異常をもつ親子を30年間,支援し続けている.グリーフに対する家族のカウンセリングは,問題を理解すること,親子の関係を豊かにすること,祝福と共感を運ぶことが大切であると語った.
 次回,「第50回記念大会」は,2012年5月12日(土),13(日)東京国際フォーラム(東京都千代田区)にて開催予定である.

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