11月13日(日),SYDホール(東京都渋谷区)にて仲井雪絵氏(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科行動小児科学分野)による標記講演会が開催され,約200名の歯科医師,歯科衛生士が参加した.

仲井氏は第一部にて,齲蝕は感染症,齲蝕活性が高まる生活習慣病的な側面を経て,齲窩,急性疼痛,歯髄感染が起こるとしたうえで,小児への齲蝕の予防対策について「メインテナンス」「母子感染を防ぐこと」「ショ糖の摂取を控えること」を挙げ解説した.また「いつかはミュータンスレンサ球菌群に感染する可能性はあるが,感染時期が遅いほど生じる齲蝕は軽度である」と,妊娠期から母親に口腔内を清潔に保つことの重要性を訴えた.
また,齲蝕予防の1つのツールとしてキシリトールを活用することを提案.キシリトールはミュータンスレンサ球菌群に対し非発酵性であり,プラーク増大の抑制,再石灰化の促進などに働くという.最新の論文をからめ齲蝕予防への有用性を説いた.
第二部では,齲蝕予防の実践について解説した.間食,歯磨きなどの生活習慣に対しては,「ベストが望ましいが,ベターな方法を指導,提案できることが大切である」と語り,患者の状況を把握したうえでの説明方法や伝え方,また食事記録の活用など方法論を示した.
本講演会は,小児への齲蝕予防について基礎知識から臨床で行える方法まで説いた内容であった.講演後には,多数の聴講者が講師へ質問に詰めかけ,本講演の盛況ぶりが窺えた.