3月14日(土),昭和大学(東京都品川区)において,標記シンポジウムが開催された.
昭和大学歯学部では,平成20年度より,文部科学省私立大学戦略的研究基盤支援事業の補助を受け,立川哲彦教授を研究代表者として,「分子的理解に基づいた口腔癌の先端的研究:発症メカニズムの解明からQOLの向上を目指した包括的リハビリテーションまで」をメインテーマとするプロジェクトを推進している.現在,口腔癌はヒトに発生する癌の5%を占め,罹患率は年々増加している.本研究センターは,平成20年度から5カ年計画で,遺伝子・タンパク質解析による口腔癌病変部における癌と非癌の区別の明確化,前癌病変と癌化の相違性の定量的評価などの基礎的研究に加え,これらの成果を癌診断に反映させるためのシステム構築,さらに,癌切除後の包括的なリハビリテーション治療の確立を目標としており,昭和大学歯学部が総合的に研究を推進するものである.

今回の公開シンポジウムでは,宮崎隆歯学部長による開会の挨拶に続いて,特別講演として稲澤譲治教授(東医歯大)による「癌と遺伝疾患のゲノム・エピゲノム解析」と,新谷悟教授(昭和大)による「よりよい口腔がん治療を目指して」の2題が開催された.続いて「分子基盤に基づく口腔癌発症メカニズムの解析」「分子的理解による治療体系の確立」「包括的リハビリテーション体系の確立」の3つの研究プロジェクトから,合計14題の研究成果がポスター形式で発表され,活発な議論がなされた.

【既刊】
天笠光雄・岡田憲彦・作田正義・立川哲彦・道健一 著
『口腔癌の早期診断アトラス』