冒頭,挨拶に立った本研究会会長の下川公一氏(北九州市開業)は,「昨今の歯科医療保険事業や少子高齢社会など社会が変化していくなかで,歯科医療の質を守り,そして経営的にも安定させる工夫が必要である」と述べ,そのためには,「歯科医師は,価値観が多様化している患者のニーズを捉え,また“歯科治療の的確なアドバイザー”としての役割が求められている.お互いに納得したうえで歯科治療をすすめる」ことの重要性を説いた.

下川氏が,「患者さんの信頼を得るのは大変だが,失うのは簡単」と語るように,患者さんとどのように信頼関係を築いていくかをテーマに以後の発表が行われた.
午前中は,小松智成氏(下関市開業)より「根管治療からはじまる信頼関係」,甲斐康晴氏(北九州市開業)より「患者さんとの関わりを考える-歯列不正への対応-」をテーマに個人発表が行われた.
続いて,シンポジウムⅠ「信頼を得るために[プランナー:上田秀朗氏(北九州市開業),木村英生氏(北九州市開業)]が行われ,樋口琢善氏(福岡県飯塚市開業),田中憲一氏(福岡県田川郡開業),酒井和正氏(北九州市開業),立和名靖彦氏(北九州市開業),木村英生氏,重田幸司郎氏(下関市開業),村上和彦氏(北九州市開業)の各氏による発表が行われた.
その後のディスカッションでは,患者さんのために歯科医療の質を守り,経営安定,さらなる歯科医療の向上を目指した「付加価値型診療」が提言された.
午後のシンポジウムⅡでは,「信頼を失わないために」[プランナー:榊 恭範氏(福岡県行橋市開業),白石和仁氏(北九州市開業)]をテーマに,大村祐進氏(下関市開業),上田秀朗氏,高島昭博氏(福岡県遠賀郡開業)による発表が行われた.
大村氏は,「患者さんと長期的に関わるための補綴設計」,上田氏は,「患者さんが望む歯科治療を求めて」と題して発表した.患者さんの要求をすべて受け入れて結果的に信頼を失わないよう,よく話し合い,適切な補綴設計,歯科治療を行う重要性が述べられた.
続いて,高島氏より総論として「患者さんと長く付き合うために」と題して,メインテナンスの重要性や口腔内の微妙な変化を読みとる重要性について症例を通して呈示された.
最後に,白石和仁氏より「歯周疾患患者をメインテナンスプログラムにのせる事の難しさ」,榊 恭範氏より「患者さんが納得できるトラブル対応」と題し,個人発表が行われ,発表会の幕を閉じた.
