やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

改訂第4 版へのことば
編集会議から20 年
 1994 年2 月の初版本を出すために,全国から有志が集まって,その約2 年前から準備に取り掛かりました.本のページをコピーして渡すことを前提にしたこと,まれな合併症などを記載していないこと,外来診療の場で使うことなどの特徴を持ち,たいへんユニークな本になりました.

ホームケアという言葉が定着
 現在では盛んに使われている「ホームケア」という言葉を使い始めたのもこの本です.ホームケアについて,医学的な面から解説を試みたのも初めてのことでした.外来診療のエッセンスはホームケアであることを体現したのがこの本です.

毎年,変わるものがある
 医療の進歩は早く,小児科領域でも,毎年いろいろ変わっていきます.前回の改訂版から3 年しか経っていませんが,何か所か改訂が必要となり,現時点で最新の情報を盛り込んだ第4 版を出すことにしました.より使いやすくなったと考えています.

新しい酒は新しい革袋に盛れ
 最近のITの進歩はすさまじく,やっと使えるようになった携帯電話は,今やスマートフォンになってしまいました.医療や保健,育児に関する情報も,新しい枠組みで提供される時代がもうやってきているようです.子どもの健康問題に関する情報は,いつの時代でも必要不可欠です.保護者の方々がアクセスしやすく,理解しやすく,実行しやすい情報を提供する必要があります.
 そこで,日本外来小児科学会を設立したメンバーでもあるわれわれ第一世代の委員の役目をひとまず終わりにしたいと考えています.新しい情報提供ツールを作る人が出てくることを心から期待しています.

 2013 年1 月
 日本外来小児科学会
 ホームケアガイド編集委員会
 山中 龍宏

改訂第3 版へのことば
おかげさまで16 年
 1994 年の初版から16 年,おかげさまでこれまでに11 万部をご利用いただきました.途中,2003 年に改訂第2 版を作成しましたが,それから7 年後の2010 年に改訂3 版としてフル・モデルチェンジいたしました.

元祖「ホームケア」
 この本が登場した頃は「ホームケア」という言葉は耳慣れないものでした.病気の子どもにお家で何をしてあげればよいのか? 食べ物は? お風呂は? 保育園は? といった疑問に答える本,というコンセプトは瞬く間に全国の方々からご支持をいただき,「ホームケア」という言葉が定着していきました.
 今では「ホームケア」という言葉をいろいろなところで目にします.ホームケアの大切さが広く認められてきたことを私ども編集委員は心から喜んでいます.

新しくなった
 このたびの改訂でフルカラーになり,文字の色を工夫したり章ごとに色使いを変えたりして楽しい本に変身しました.イラストも全面的に描き替えていただいて雰囲気が変わりました.

増えた
 医学知識は日進月歩の勢いです.小児科の診療も少しずつ変わっていますので,この本の内容もリニューアルしています.新しく登場したページもありますし,役目を終えて消えたページもあります.認可されたばかりの新しい予防接種についても解説しました.
 これからもホームケアガイドは進化を続けます.

 2010 年1 月
 日本外来小児科学会
 ホームケアガイド編集委員長
 橋本 剛太郎

改訂のことば
 1994 年に発刊された『お母さんに伝えたい 子どもの病気ホームケアガイド』は,子どもが病気になったとき家庭ではどんなことをしてあげたらよいか,という大切なポイントについてわかりやすく説明した本で,たくさんのお母さん方に読んでいただきました.今までにない身近で役立つ本だと喜んでいただき,この部類の本ではベストセラーになりました.当時ははじめての試みでしたから,もっともわかりやすい乳幼児の病気に的を絞って作りました.
 しかし,この10 年近い間に,読者であるお母さん方のお子さんも成長され,診察を受けたあと,聞き慣れない病名を告げられたり,インフルエンザの診断法や治療薬の画期的進歩を知らされるなど,ホームケアのポイントも大きく変わりました.そのため,ホームケアガイドの内容を修正したり,新しく付け加えたりしなければならない箇所がたくさん出てきました.
 そこで,初版に参加したホームケアガイド作成検討会に新メンバーを加えて,さらに経験や工夫を重ねて,初版にもまさるともおとらない改訂第2 版を出版いたしました.いわば「乳幼児」から「学童」までこの本も成長したわけです.
 初版と同様にこの本を愛用してくださることを,そしてお子さんのより健やかなご成長をメンバー一同願って止みません.

 日本外来小児科学会
 理事長 徳丸 実
 改訂第4 版へのことば
 改訂第3 版へのことば
 改訂のことば
 この本の目的・性格・素性
 この本の使いかた
 お母さんが使うとき

PART 1 基本的な家庭でのケア
 診察を受けるとき
 熱の測りかた
 病気のときのお風呂
 薬の飲ませかた
 薬の飲ませかたQ & A
 坐薬の使いかた
 点眼・点鼻・点耳薬の使いかた
 解熱薬の使いかた
 抗菌薬(抗生物質・抗生剤)
 自宅での尿の採りかた
 浣腸のしかた
PART 2 外来でみる感染症
 EBウイルス感染症(伝染性単核球症)
 咽頭結膜熱(プール熱)
 インフルエンザ
 ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)
 細菌性腸炎
 下痢のときの飲み物・食べ物
 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
 反復性耳下腺炎
 蟯虫症
 クループ
 細気管支炎
 手足口病
 突発性発疹
 はしか(麻疹)
 百日咳
 風疹
 ヘルパンギーナ
 ヘルペス性歯肉口内炎
 マイコプラズマ肺炎
 みずぼうそう(水痘)
 帯状疱疹
 無菌性髄膜炎
 溶連菌性咽頭炎
 りんご病(伝染性紅斑)
 いつから保育所・幼稚園に行けますか?
PART 3 他科関連の病気
 〔全身の病気〕
 リンパ節のグリグリ
 アナフィラクトイド紫斑病
 川崎病
 〔目・耳・鼻・のどの病気〕
 斜視
 急性中耳炎・滲出性中耳炎
 鼻血
 扁桃肥大・アデノイド肥大
 〔心臓の病気〕
 無害性心雑音
 〔皮膚の病気〕
 あせも
 水いぼ(伝染性軟属腫)
 とびひ(伝染性膿痂疹)
 じんましん
 しもやけ
 しらみ(アタマジラミ)
 〔泌尿器の病気〕
 軽度の血尿・蛋白尿
 尿路感染症
 陰嚢水腫・停留精巣
 亀頭包皮炎・恥垢
 包茎
 おりもの(外陰腟炎)
 〔胃・腸・肛門の病気〕
 腸重積
 幽門狭窄症
 そけいヘルニア・嵌頓ヘルニア
 肛門周囲膿瘍
 肛門のスキン タグ
 〔骨・関節の病気〕
 ろうと胸
 O脚・X脚
 肘内障
 〔事故〕
 熱中症
PART 4 長びく病気 くり返す病気
 ゼイゼイしやすい子(喘息性気管支炎)
 ひきつけ(熱性けいれん)
 ひきつけ(熱性けいれん)の再発予防
 泣き入りひきつけ(憤怒けいれん)
 てんかん
 チック
 指しゃぶり
 おねしょ
 心因性頻尿
 幼児の便秘
 成長痛
 起立性調節障害
 幼児・学童の肥満
 幼児の肥満度判定曲線
 乳幼児期の鉄欠乏性貧血
 思春期の鉄欠乏性貧血
PART 5 アレルギーの病気
 〔気管支喘息〕
 お母さんへ
 喘息発作がおこったら(発作止めの内服薬を処方されている人)
 喘息発作がおこったら(発作止めの吸入薬を処方されている人)
 日常生活で気をつけること
 喘息を予防する薬
 〔アトピー性皮膚炎〕
 治療のこころがまえ
 治療の基本はスキンケア
 軟膏をぬる
 食物アレルギー
 食物アレルギー児の食事
 〔目と鼻のアレルギー〕
 アレルギー性結膜炎・鼻炎(スギ花粉症)
PART 6 赤ちゃんの病気
 おむつかぶれ(カンジダ皮膚炎)
 赤ちゃんのスキンケア
 赤ちゃんの口の中(鵞口瘡・上皮真珠)
 赤ちゃんの目やに(鼻涙管閉塞)
 赤ちゃんの鼻づまり
 赤ちゃんの便秘
 赤ちゃんの夜泣き
 赤ちゃんのおへそ
PART 7 健康診査
 母乳は赤ちゃんにとって理想の食品です
 妊娠中から小児科医に会ってみませんか?―プレネイタルビジット
 1 か月児健診が終わったら
 3〜4 か月児健診が終わったら
 6〜7 か月児健診が終わったら
 9〜10 か月児健診が終わったら
 1 歳児健診が終わったら
 1 歳半児健診が終わったら
 3 歳児健診が終わったら
 5 歳児健診が終わったら
PART 8 病気の予防
 やっぱり受けよう! 予防接種
 生まれてから1 歳までの
 予防接種スケジュール
 [  ]さんの予防接種スケジュール
 予防接種を受けたあとの注意
  (1)ヒブワクチン (2)小児肺炎球菌ワクチン
 予防接種を受けたあとの注意
  (1)ロタウイルスワクチン (2) 4 種混合ワクチン
 B型肝炎の予防接種
 予防接種を受けたあとの注意
  (1) BCG (2)麻しん風しん混合(MR)ワクチン
 予防接種を受けたあとの注意
  (1)みずぼうそうワクチン (2)おたふくかぜワクチン
 予防接種を受けたあとの注意
  (1)日本脳炎ワクチン (2)子宮頸がん予防ワクチン
 インフルエンザの予防接種
 予防接種証明書(英文)
PART 9 事故の予防
 安全チェック&ワンポイント・アドバイス(0〜3か月児用)
 安全チェック&ワンポイント・アドバイス(4〜7か月児用)
 安全チェック&ワンポイント・アドバイス(8〜11か月児用)
 安全チェック&ワンポイント・アドバイス(1歳〜1歳5か月児用)
 安全チェック&ワンポイント・アドバイス(1歳6か月〜3歳児用)
 子どものために禁煙しましょう

 説明図
  心臓の模式図…… A
  尿路系の模式図……B
  咽・喉頭の模式図…… C
  気管支・肺の模式図…… D