序
わが国の高齢化は急速に進んでいる．2015年の平均寿命は，男性が80.79歳，女性が87.05歳であった．1900年の平均寿命である44歳と比較すると，115年で40歳，つまり毎年0.3歳伸びており，その結果高齢者人口が増加している．
高齢者にとって，食事をすることは生活の上で大きな楽しみのひとつである．しかし，咀嚼や嚥下機能の低下が生じると，普通の食事が食べづらくなるとともに誤嚥性肺炎等のリスクもあることから，軟らかくて飲み込みやすい食事の提供が必要となってくる．「軟らかくて飲み込みやすい」といっても，これは，主観的な評価であり，病院や高齢者福祉施設においても，その内容はさまざまである．
本書では，回復期リハビリテーション病棟で提供されている，形のある軟らかくて飲み込みやすい食事（嚥下調整食）を「日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食学会分類2013」に沿って分類した．
回復期リハビリテーション病棟は，住み慣れた自宅に帰ることを目標としながら脳血管障害や運動器疾患者に対して集中的リハビリテーションを行う場である．嚥下機能や咀嚼機能の低下した高齢者も多数入院しており，食事に関しては安全であるとともに見た目や味の良い嚥下調整食の提供が求められる．
一方，2016年4月の診療報酬改定において，がん，摂食・嚥下機能低下，低栄養の3つの栄養指導対象が加わった．なかでも摂食機能もしくは嚥下機能が低下した患者の要件は「医師が，硬さ，付着性，凝集性などに配慮した嚥下調整食（日本摂食嚥下リハ学会の分類に基づく）に相当する食事を要すると判断した患者であること」と明示された．このことからも，医療関係者は基準に習った嚥下調整食をより具体的に理解することが重要といえる．
口から食べる重要性の高まりと，誤嚥性肺炎予防の両面からも，嚥下調整食の需要は今後ますます増加することが予想される．地域包括ケアの推進により，施設間や地域との連携は必須であり，在宅においてもその役割は大きい．
本書のレシピが，患者や家族に喜ばれる食事づくりの一助になれば幸甚である．
髙山仁子，栢下 淳
わが国の高齢化は急速に進んでいる．2015年の平均寿命は，男性が80.79歳，女性が87.05歳であった．1900年の平均寿命である44歳と比較すると，115年で40歳，つまり毎年0.3歳伸びており，その結果高齢者人口が増加している．
高齢者にとって，食事をすることは生活の上で大きな楽しみのひとつである．しかし，咀嚼や嚥下機能の低下が生じると，普通の食事が食べづらくなるとともに誤嚥性肺炎等のリスクもあることから，軟らかくて飲み込みやすい食事の提供が必要となってくる．「軟らかくて飲み込みやすい」といっても，これは，主観的な評価であり，病院や高齢者福祉施設においても，その内容はさまざまである．
本書では，回復期リハビリテーション病棟で提供されている，形のある軟らかくて飲み込みやすい食事（嚥下調整食）を「日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食学会分類2013」に沿って分類した．
回復期リハビリテーション病棟は，住み慣れた自宅に帰ることを目標としながら脳血管障害や運動器疾患者に対して集中的リハビリテーションを行う場である．嚥下機能や咀嚼機能の低下した高齢者も多数入院しており，食事に関しては安全であるとともに見た目や味の良い嚥下調整食の提供が求められる．
一方，2016年4月の診療報酬改定において，がん，摂食・嚥下機能低下，低栄養の3つの栄養指導対象が加わった．なかでも摂食機能もしくは嚥下機能が低下した患者の要件は「医師が，硬さ，付着性，凝集性などに配慮した嚥下調整食（日本摂食嚥下リハ学会の分類に基づく）に相当する食事を要すると判断した患者であること」と明示された．このことからも，医療関係者は基準に習った嚥下調整食をより具体的に理解することが重要といえる．
口から食べる重要性の高まりと，誤嚥性肺炎予防の両面からも，嚥下調整食の需要は今後ますます増加することが予想される．地域包括ケアの推進により，施設間や地域との連携は必須であり，在宅においてもその役割は大きい．
本書のレシピが，患者や家族に喜ばれる食事づくりの一助になれば幸甚である．
髙山仁子，栢下 淳
序（髙山仁子/栢下 淳）
1．回復期リハビリテーション病棟について
（岡本隆嗣）
コラム 回復期リハ病棟における嚥下機能・栄養に関する診療報酬
2．回復期リハビリテーション病棟における嚥下調整食の位置付け
（髙山仁子）
コラム 災害時における嚥下調整食
3．おいしい嚥下調整食とは（作製のコツ）
（漆原真姫/渡邉美鈴）
4．学会分類2013の考え方（コード3およびコード4を中心に）
（山縣誉志江/栢下 淳）
5．学会分類2013をもとにした分類の意義
（桐谷裕美子）
6．学会分類2013（食事）コード3およびコード4の客観的分類方法
（角谷 翔/栢下 淳）
7．コード3およびコード4の適応となる対象者
（中込弘美）
8．学会分類2013 コード3およびコード4の適応となる対象者のミールラウンドでの留意点
（新谷恵子）
9．学会分類2013 コード3およびコード4の適応となる対象者の栄養管理上の留意点
（西岡心大）
10．在宅生活での応用
（影山典子）
嚥下調整食レシピ集105
嚥下調整食レシピ集の見方と活用方法（編著者）
コード3
肉・だいず料理
ポークステーキ
酢豚
ローストポーク
豚しゃぶ
豆腐の蟹しんじょ
ロールキャベツ
豚肉のみそ焼き
えだまめ豆腐
えだまめ
健康ハンバーグ
鶏のレモンソースかけ
豚肉の塩炒め
たけのこ豆腐わかめあんかけ
タンドリーチキン
親子煮
やわらかハンバーグ
肉じゃが
豆腐バーグの卵とじ
豆腐と卵のあんかけ
魚料理
えびフライ
煮魚
魚のみそ漬け焼き
蒸さけの香味ソース
白菜とツナの和え物
野菜料理
筑前煮
かぼちゃサラダ
キムチ漬け
変わりきんぴら
松葉しぐれ
ほうれんそうのお浸し
かぼちゃの含め煮
ベジロール
ごま豆腐
カラフルサラダ
卵料理
野菜と卵のソテー
洋風茶碗蒸し
汁物
ハヤシ風
けんちん煮
デザート
くずまんじゅう
桜餅
きな粉ゼリー
やわらかチョコ
その他
たこ焼き風
ミックスピザ
マッシュポテトグラタン
コード4
肉・だいず料理
チンジャオ風
鶏肉の赤ワインソース
ハンバーグ
だいずの煮もの
豚チャップ
麻婆豆腐
鶏シューマイ
豚肉のカレー風味
チキンナゲット
ロールキャベツ
ヒレカツ
豚肉のみそ焼き
カツ煮
ふんわり肉団子
鶏天
豚肉の塩炒め
たけのこ豆腐わかめあんかけ
オレンジチキン
やわらかハンバーグ
肉じゃが
鶏のから揚げ
魚料理
魚のみそ煮
煮魚
さけチーズ焼き
はんぺんの煮つけ
さけのマヨネーズ焼き
赤魚のだいこんおろしかけ
ふわふわいか団子とだいこんの煮物
さわらのみそ漬け焼き
ふくさ蒸し
サーモンクリームソース
えびとじ
蒸しざけの香味ソース
白菜とツナの和え物
赤魚のさらさ蒸し
野菜料理
じゃがいもの重ね煮
アスパラソテー
だいこん炒め煮
酢の物
煮しめ
ほうれんそうの和え物
酢和え
松葉しぐれ煮
野菜の煮物
トマトおでん
ほうれんそうのお浸し
こんにゃくの炒め煮
みぞれ酢和え
カラフルサラダ
ベジロール
汁物
けんちん煮
ビーフシチュー
デザート
きなこくずもち風
フルーツヨーグルトムース
フルーツタルト
おはぎ
その他
お好み焼き
一口そうめんゼリー
即席焼きそば
パンプディング
嚥下調整食レシピ集の提供協力施設 担当管理栄養士・給食委託会社
嚥下調整食レシピ集に掲載したメーカー・製品一覧
資料 学会分類2013 早見表
チームの一員として回復期患者さんの在宅復帰とリハビリテーションを支える！一般社団法人 回復期リハビリテーション病棟協会栄養委員会
1．回復期リハビリテーション病棟について
（岡本隆嗣）
コラム 回復期リハ病棟における嚥下機能・栄養に関する診療報酬
2．回復期リハビリテーション病棟における嚥下調整食の位置付け
（髙山仁子）
コラム 災害時における嚥下調整食
3．おいしい嚥下調整食とは（作製のコツ）
（漆原真姫/渡邉美鈴）
4．学会分類2013の考え方（コード3およびコード4を中心に）
（山縣誉志江/栢下 淳）
5．学会分類2013をもとにした分類の意義
（桐谷裕美子）
6．学会分類2013（食事）コード3およびコード4の客観的分類方法
（角谷 翔/栢下 淳）
7．コード3およびコード4の適応となる対象者
（中込弘美）
8．学会分類2013 コード3およびコード4の適応となる対象者のミールラウンドでの留意点
（新谷恵子）
9．学会分類2013 コード3およびコード4の適応となる対象者の栄養管理上の留意点
（西岡心大）
10．在宅生活での応用
（影山典子）
嚥下調整食レシピ集105
嚥下調整食レシピ集の見方と活用方法（編著者）
コード3
肉・だいず料理
ポークステーキ
酢豚
ローストポーク
豚しゃぶ
豆腐の蟹しんじょ
ロールキャベツ
豚肉のみそ焼き
えだまめ豆腐
えだまめ
健康ハンバーグ
鶏のレモンソースかけ
豚肉の塩炒め
たけのこ豆腐わかめあんかけ
タンドリーチキン
親子煮
やわらかハンバーグ
肉じゃが
豆腐バーグの卵とじ
豆腐と卵のあんかけ
魚料理
えびフライ
煮魚
魚のみそ漬け焼き
蒸さけの香味ソース
白菜とツナの和え物
野菜料理
筑前煮
かぼちゃサラダ
キムチ漬け
変わりきんぴら
松葉しぐれ
ほうれんそうのお浸し
かぼちゃの含め煮
ベジロール
ごま豆腐
カラフルサラダ
卵料理
野菜と卵のソテー
洋風茶碗蒸し
汁物
ハヤシ風
けんちん煮
デザート
くずまんじゅう
桜餅
きな粉ゼリー
やわらかチョコ
その他
たこ焼き風
ミックスピザ
マッシュポテトグラタン
コード4
肉・だいず料理
チンジャオ風
鶏肉の赤ワインソース
ハンバーグ
だいずの煮もの
豚チャップ
麻婆豆腐
鶏シューマイ
豚肉のカレー風味
チキンナゲット
ロールキャベツ
ヒレカツ
豚肉のみそ焼き
カツ煮
ふんわり肉団子
鶏天
豚肉の塩炒め
たけのこ豆腐わかめあんかけ
オレンジチキン
やわらかハンバーグ
肉じゃが
鶏のから揚げ
魚料理
魚のみそ煮
煮魚
さけチーズ焼き
はんぺんの煮つけ
さけのマヨネーズ焼き
赤魚のだいこんおろしかけ
ふわふわいか団子とだいこんの煮物
さわらのみそ漬け焼き
ふくさ蒸し
サーモンクリームソース
えびとじ
蒸しざけの香味ソース
白菜とツナの和え物
赤魚のさらさ蒸し
野菜料理
じゃがいもの重ね煮
アスパラソテー
だいこん炒め煮
酢の物
煮しめ
ほうれんそうの和え物
酢和え
松葉しぐれ煮
野菜の煮物
トマトおでん
ほうれんそうのお浸し
こんにゃくの炒め煮
みぞれ酢和え
カラフルサラダ
ベジロール
汁物
けんちん煮
ビーフシチュー
デザート
きなこくずもち風
フルーツヨーグルトムース
フルーツタルト
おはぎ
その他
お好み焼き
一口そうめんゼリー
即席焼きそば
パンプディング
嚥下調整食レシピ集の提供協力施設 担当管理栄養士・給食委託会社
嚥下調整食レシピ集に掲載したメーカー・製品一覧
資料 学会分類2013 早見表
チームの一員として回復期患者さんの在宅復帰とリハビリテーションを支える！一般社団法人 回復期リハビリテーション病棟協会栄養委員会
