やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第3版 序
 わが国初めての口腔インプラント学の教科書である第1版が2005年に上梓されてから12年が経とうとしています.その間の口腔インプラント学の進歩は目覚ましく,多くの患者に福音をもたらしたことに疑いの余地はありません.一方で,国民生活センターの警鐘に代表されるように,インプラント治療をめぐる患者とのトラブルが存在していることも,また確かです.それゆえ,歯科医師が口腔インプラントの現在の水準の知識と技術をもつことは,もはや義務であると考えます.本書はその確信に立って改訂されました.
 スウェーデンのブローネマルクらによって開発されたオッセオインテグレーテッドインプラントは,歯の欠損から生じる諸問題を解決する確実性の高い補綴歯科治療であることに疑いありません.開発当初イエテボリ大学で無歯顎患者だけに適用されたこのインプラントは,北米,日本,欧州に紹介されるに伴い,単独歯欠損,歯列の部分欠損,顎顔面欠損へと適応が拡大され,最近では矯正治療の固定源としても応用されるようになりました.歯科医師は,患者の価値観を聞き入れながら補綴歯科治療のゴールを定め,現在の医療水準の知識と技術の上にインプラント治療を進めなければなりません.インプラント治療では,優れた外科手術,高いレベルのクラウンブリッジ・デンチャーワーク,専門的なメインテナンスなどが要求されることから,その基本を早期に学ばせるために,卒前教育や臨床研修教育にインプラントが組み込まれる時代になりました.
 本書は,オッセオインテグレーションの歴史に始まる序説から,解剖学,材料学,組織学,病理学等の基礎科学,診断と治療計画,外科手術,補綴術式,リコールとメインテナンス,高齢患者への対応,将来の展望までを8章からなる構成の中で述べています.読者はこれらをしっかりと読み解くことで,現代の口腔インプラント学のすべてを学ぶことができます.この学びがあって初めて,患者と歯科医師の両者が満足するインプラント治療が可能となるのです.それゆえ,この第3版ではかなりの部分を改訂することを企画し,口腔インプラント学の教育・臨床・研究のそれぞれの分野をリードされている方々ばかりに執筆を依頼しました.ご多忙のなかを献身的に作業いただいた執筆者に,心から感謝を申し上げる次第です.
 本書を手にする皆さんには,ここに書かれているすべてを自らの知識と技術として生かし,その上に立って,より安全で安心なインプラント治療を実施していただきたいと強く願っています.われわれ編集委員は,真摯な態度で誠実にインプラント治療を実施することによって初めて,歯や顎の欠損から生じる困難な問題から患者を解放し,患者が「食べる喜び」「生きる喜び」を享受することが可能となると信じてやみません.本書がもつわが国“初めて”の教科書としての価値は,その実現のなかにあると確信するものです.
 2017年1月吉日
 編集委員 赤川安正 松浦正朗 矢谷博文 渡邉文彦(五十音順)


第2版 序
 2005年に我が国で初めての口腔インプラント学の教科書を上梓して早いもので6年が経過しようとしています.口腔インプラントの学問としての進歩と臨床の発展はまさに目覚ましく,それは我々の予想を超えるものでした.一方で,インプラントをめぐるいろいろな問題が起こっていることもまた事実です.このようななかにあって,我が国初めてのこの教科書の内容をさらに充実させ,最新の進歩を書き込むことは我々の使命であると考え,この改訂が行われました.
 優れた科学的根拠(エビデンス)に裏づけられたオッセオインテグレーテッドインプラントは,補綴歯科治療に新しい時代をもたらしました.最初スウェーデンでの無歯顎患者に限られていた応用は,歯列の部分欠損や単独歯欠損,顎顔面補綴へと拡大され,さらには矯正歯科治療の固定源となる等,その可能性をさらに広げつつあります.このような口腔インプラントの発展をふまえて,歯科医師は,歯および歯列あるいは口腔・顔面諸組織の欠損を有する患者を前にして,現在の医療水準をもとにしたいくつかの治療オプション(治療法)を持ちながら,エビデンスに基づき,患者の語りにも耳を傾け,さらに優れた臨床経験を重ね併せた上で治療計画を立てます.そして,治療法選択の最終の意思決定を患者に委ねた上で,自らの専門的知識と技術を駆使して,患者の求める治療ゴールを達成しなければなりません.
 口腔インプラント治療では,外科手術を伴うこと,より高いレベルの冠・義歯治療技術が要求されること,治療費が高額であること等から,その適用は従来の冠・義歯治療に比較してはるかに困難です.それゆえ,口腔インプラントは,歯学教育のなかでようやく卒前教育や卒後研修教育に導入され,本書の出版の意義はまさにこのような時代背景に求めることができます.
 本書では,口腔インプラントの歴史的背景,解剖学,材料学,組織学,病理学等の基礎科学,実際の治療計画,外科手術と上部構造のための補綴術式,リコールとメインテナンス,インプラントの将来展望等が6章からなる構成のなかで述べられており,読者はこれらを読みとくことで,現代の口腔インプラント治療の科学的エッセンスを十分に学ぶことができます.
 さらに,本書は,初学者のための基本的知識と技術にこだわりながら,経験を蓄積しつつある研修医や臨床家にとっても重要である最新の情報もまとめて提示しました.したがって,ここに書かれてある基本的な知識と技術内容を学びとることにより,“どうしたら”歯と顎の欠損をインプラントにより補綴し,高い機能と審美性を回復して,患者のQOLを達成できるか,が理解できます.
 この改訂にあたっては,我が国の口腔インプラント学の教育・臨床・研究の現場で文字通りリーダーの方々ばかりにご執筆いただきました.これら多忙な先生方が,日常の活動の合間を縫って精力的かつ献身的に作業をいただいたことに,我々編集委員は心から感謝を申し上げます.
 読者の皆さんは,本書に書かれたすべてをしっかりと自らのものとし,これらをもとに臨床を展開することで,歯や顎の欠損から生まれる困難な問題を抱える患者のQOLを回復・向上させ,患者に食べる喜び,生きる喜びを与えてほしいと思います.それこそが我々著者全員の心からの願いであり,また,皆さんがそれを実践することにより,我が国“初めて”の本書の価値をさらにゆるぎないものとすると確信しています.
 2011年1月吉日
 編集委員 赤川安正 松浦正朗 矢谷博文 渡邉文彦(五十音順)


初版 序
 優れた科学的根拠(エビデンス)に裏づけられたオッセオインテグレーテッドインプラントは,20世紀後半から,歯科,とくに補綴治療に新しい時代をもたらしました.このインプラントの口腔への適用は,最初スウェーデンでの上下顎の無歯顎者に限られていましたが,北米や日本,欧州大陸に紹介されると,歯の部分欠損や単独欠損,さらには顎顔面補綴へと拡大され,そのうえより自然な,より機能性の高い要求が生まれるなど,その可能性はさらに広がっています.
 われわれは,歯および歯列の欠損あるいは口腔・顔面諸組織の欠損の患者を前にして,いくつかの治療オプション(治療法)をもちながら,患者の語りに耳を傾け,エビデンスに基づいた治療計画を立てます.そして,治療法選択の最終の意思決定を患者に委ねたうえで,現在の医療水準をもとに自らの専門的知識と技術を駆使して,患者の求める治療ゴールを達成することに全力を注いでいます.
 口腔インプラント治療では,外科手術を伴うこと,より高いレベルの冠・義歯治療技術が要求されること,治療費が高額であることなどから,その適用を適正に判断し実行していくことは,従来の冠・義歯治療に比較して,はるかに困難な作業となります.社会や経済の成熟,歯科医療の進歩,患者の多様な価値観などにより患者の求める治療のゴールはさらに高くなっていることから,口腔インプラントは,いまや欠損補綴の包括的な治療計画を考えるうえでなくてはならないものになっています.
 それゆえ,口腔インプラントは,歯学教育のなかで卒前や卒後研修教育に受け入れられ始めています.このような時代にあって,本書はわが国で初めて出版される口腔インプラント治療に関する教科書であります.
 本書では,口腔インプラントの歴史的背景,解剖学,組織学,病理学,歯科理工学などの基礎科学,実際の治療計画,外科手術と上部構造のための補綴術式,リコールとメンテナンス,インプラントの将来展望などが6章からなる構成のなかで述べられており,読者はこれらを読んでいくうちに,現代の口腔インプラント治療の科学的エッセンスを十分に学びとることができます.
 本書では,あえて,初学者のための基本的知識と技術にこだわり,さらには,経験を蓄積しつつある研修医や臨床家にとっても重要な最新の情報を簡潔にまとめました.したがって,ここに書かれている基本的な知識と技術を学びとることにより,“どうしたら”歯と顎の欠損をインプラントにより補綴し,高い機能と審美性を回復して,患者のQOLを達成できるかが理解できます.
 発刊にあたっては,わが国の口腔インプラント学の教育現場で文字通りリーダーの方々ばかりにご執筆をいただきました.これら多忙な先生方が,教育・臨床・研究活動の合間を縫って精力的かつ献身的に作業をされたおかげで,本書をきわめて短期間に上梓することができました.ここにご執筆をいただいたすべての著者のあふれる努力に心から感謝を申し上げます.
 読者の皆さんは,本書に書かれたすべてをしっかりと自らのものとし,これらをもとに臨床を展開することで,歯や顎の欠損から生まれる困難な問題を抱える患者のQOLを回復・向上させ,生きる喜びを与えてほしいと思います.それこそがわれわれ著者全員の心からの願いであり,また,皆さんがそれを実践することにより,わが国“初めて”としての本書の価値がゆるぎないものになると信じます.
 2005年3月15日
 編集委員 赤川安正 松浦正朗 矢谷博文 渡邉文彦(五十音順)
第1章 口腔インプラント学序説
 I 口腔インプラントの発展とオッセオインテグレーション(赤川安正)
  1 インプラントとオッセオインテグレーションの歴史
  2 歯の欠損におけるインプラント治療の位置づけ
 II 口腔インプラント治療の概要(渡邉文彦)
  1 インプラント治療の流れ
   1)インフォームドコンセント 2)全身および局所の診察・検査と資料採得
   3)診断と治療計画の立案 4)外科処置 5)補綴歯科治療(上部構造の装着)
   6)リコールとメインテナンス
  2 補綴歯科治療の選択基準
   1)歯の欠損におけるインプラント治療の位置づけ
   2)欠損補綴の必要性の有無 3)欠損補綴の選択肢
  3 インプラントの選択基準
    1)全身状態 2)局所状態
  4 現在のインプラントシステム(永原國央)
   1)インプラント義歯の基本構造 2)インプラント体の埋入術式
 III 口腔インプラント治療の成功率(窪木拓男・三野卓哉)
  1 インプラント治療成功の基準
  2 インプラント体の残存(生存)
  3 インプラント体の残存を脅かすリスクファクター
  4 患者の主観的満足度やQOLから判断したインプラント治療の成功
第2章 口腔インプラントのための基礎科学
 I オッセオインテグレーション(井上 孝)
  1 インプラントに対する生体反応
  2 創傷治瘉とインプラント24
   1)生活反応期(出血・凝固) 2)創内浄化期(炎症)
   3)修復期(肉芽組織) 4)再構築期
   5)創傷治瘉を左右する因子
  3 インプラント-骨組織界面
   1)インプラント周囲骨組織
  4 骨組織の形成とリモデリング(恒常性の維持)
   1)骨組織 2)骨リモデリング 3)カルシウム調節ホルモン
   4)インプラントにおける骨形成
   5)インプラント表面に骨組織を形成する因子 6)骨の異常像
  5 基礎から臨床へ
 II 解剖学(松永 智・阿部伸一・井出吉信)
  1 顎骨の解剖
   1)上顎骨 2)下顎骨
  2 皮質骨と海綿骨
   1)顎骨の特徴 2)上顎骨の内部構造 3)下顎骨の内部構造
  3 上顎に関与する神経,脈管
   1)上顎神経 2)上顎に関与する動脈 3)上顎に関与する静脈
  4 下顎に関与する神経,脈管
   1)下顎神経 2)動脈
 III 材料学(宮ア 隆・片岡 有)
  1 インプラント体の材料
   1)所要性質 2)種類 3)表面性状 4)表面処理
  2 上部構造やその他の材料
   1)所要性質 2)種類
  3 骨増生・骨補填の材料
   1)骨補填材 2)遮断膜
 IV 軟組織(佐藤 聡)
  1 歯周組織とインプラント周囲粘膜の違い
   1)口腔粘膜の構造と性状 2)顎堤の粘膜と歯肉
   3)インプラント周囲粘膜
第3章 診断と治療学
 I 患者の選択基準(渡邉文彦・廣安一彦)
  1 患者の主訴と治療のゴール……67
 II 医療面接(横山敦郎,石川 誠)
  1 治療の成功のために
  2 医療面接の技法
  3 インプラント治療に必要な医療面接
 III リスクファクター(横山敦郎,石川 誠)
  1 手術に対するリスクファクター
  2 オッセオインテグレーションの獲得と維持に対するリスクファクター
  3 上部構造の製作と維持に対するリスクファクター
 IV 診察と検査
  1 全身の診察(矢島安朝)
   1)全身状態の評価の目的 2)全身状態の評価法
   3)インプラント治療で問題となる全身疾患
  2 局所の診察(宗像源博)
   1)顎機能の診察 2)口腔内の診察 3)咬合状態の診察
   4)欠損状態の診察 5)審美領域の診察
   6)口腔内写真による検査の重要性
  3 研究用模型上での診断用ワックスアップ(矢谷博文・中野 環)
   1)研究用模型上での検査
   2)診断用ワックスアップと診断用ステントの製作
  4 画像検査(岩田 洋・代居 敬)
   1)インプラント治療の各時期における画像検査法
   2)画像検査とエックス線被曝について
  5 ガイデッドサージェリーのためのCAD/CAM応用(矢谷博文・中野 環)
   1)診断用ステントを用いてCAD/CAMサージカルガイドプレートを製作する方法
   2)診断用ステントを用いずにCAD/CAMサージカルガイドプレートを製作する方法
 V 治療計画の立案
  1 治療の進め方(古谷野 潔・松下恭之)
   1)治療計画立案の原則 2)術前検査とチーム医療の重要性
   3)インプラント治療の診察・検査でのチェック項目
   4)模型上での検査 5)CTエックス線検査
  2 生体力学から考える補綴デザインの原則
   1)インプラントにおける生体力学的特異性 2)負担過重(オーバーロード)
   3)インプラント治療における生体力学的原則 4)インプラントと天然歯との連結
   5)上部構造の不適合 6)ブラキシズム,パラファンクション
   7)負担過重(オーバーロード)の警告サイン
  3 上部構造の種類(細川隆司・正木千尋)
   1)1歯欠損 2)複数歯欠損 3)無歯顎
  4 インプラント体のサイズと本数,埋入位置・方向の決定
   1)埋入位置・方向を考慮したインプラント体のサイズ,形状の選択と本数の決定基準
   2)具体的な設計の流れ
  5 咬合負荷までの期間
  6 治療計画の説明とインフォームドコンセント(村上 弘)
   1)インフォームドコンセントとは
   2)インプラント治療のためのインフォームドコンセントの実際
第4章 口腔インプラント治療と医療安全
 (矢島安朝)
 1 医療安全とは
   1)医療安全の確保 2)医療事故と医療過誤
   3)インシデント(ヒヤリハット)とアクシデント 4)リスクマネジメント
 2 インプラント治療の医療安全
   1)インプラント治療による医療事故の実態
   2)インプラント治療の安心・安全のために守るべき事項
   3)医療事故調査制度とインプラント治療
第5章 口腔インプラント治療の実際
 I 前処置(塩田 真)
  1 顎機能の評価と治療
  2 顎堤の評価と治療
  3 歯周疾患の評価と治療
 II 外科手術
  1 器材の準備と滅菌,消毒および手術の準備(松浦正朗・山本勝己)
   1)手術室の環境 2)器材の準備と滅菌,消毒 3)手洗いと手術衣の着用
   4)術野の消毒 5)使用後の器材の処理
  2 全身管理と麻酔法(砂田勝久・篠原健一郎)
   1)インプラント体埋入手術における麻酔管理上の特徴 2)全身管理
   3)麻酔法(インプラント体埋入手術における局所麻酔)
  3 インプラント体埋入手術と二次手術
   1)インプラント体埋入手術(矢谷博文・中野 環)
   2)CAD/CAMを利用したガイデッドサージェリー
   3)二次手術(植田章夫・八上公利)
 III 補綴術式
  1 治瘉期間中の暫間補綴(関根秀志)
   1)一次手術(インプラント体埋入手術)後の暫間補綴
   2)二次手術(アバットメント連結手術)後の暫間補綴
  2 印象採得
   1)印象採得の目的 2)印象用パーツ
   3)印象採得のレベル 4)印象採得の方法
  3 咬合採得(魚島勝美)
   1)少数歯中間欠損 2)遊離端欠損 3)多数歯欠損
  4 作業用模型の製作(越智守生・廣瀬由紀人)
   1)作業用模型の製作 2)作業用模型の咬合器への装着
  5 暫間上部構造の製作(佐藤博信・松永興昌)
   1)暫間上部構造の臨床的意義 2)クラウン形態の暫間上部構造の製作
   3)ブリッジ形態の暫間上部構造の製作
   4)即時負荷を行うプロトコルの暫間上部構造の製作
  6 固定性上部構造の種類とアバットメントの選択(萩原芳幸)
   1)アバットメントとインプラント体の連結機構
   2)上部構造の固定様式 3)アバットメントの種類と選択基準
  7 上部構造の製作(久保隆靖・佐藤裕二)
   1)上部構造のデザイン 2)上部構造の製作法
  8 上部構造の咬合(古谷野 潔)
   1)臼歯部欠損に対する上部構造の咬合
   2)前歯部欠損に対する咬合 3)無歯顎に対する咬合
  9 上部構造の装着と調整(久保隆靖・佐藤裕二)
   1)上部構造の装着 2)装着後の上部構造の調整
  10 1歯欠損におけるインプラント補綴(城戸寛史)
   1)1歯欠損インプラントの意義 2)単独インプラントの治療成績
   3)1歯欠損のインプラント補綴の術式
   4)インプラント体の埋入位置が上部構造に及ぼす影響
  11 多数歯欠損におけるインプラント補綴(山内六男・安藤雅康)
   1)スクリュー固定式ボーンアンカードブリッジの製作
   2)可撤性ブリッジの製作
 IV 上下無歯顎のインプラント補綴(市川哲雄・友竹偉則)
  1 インプラント治療前の床義歯治療と上部構造の設計
  2 ボーンアンカードブリッジの製作法
   1)暫間上部構造の製作 2)最終上部構造の製作
  3 インプラント・オーバーデンチャーの製作法
   1)バーアタッチメントオーバーデンチャー
   2)既製アタッチメントを利用したオーバーデンチャー
 V 硬組織・軟組織のマネジメント
  1 硬組織のマネジメント(ハードティッシュマネジメント)(加藤仁夫・村上 洋)
   1)インプラント治療における骨増生の意義 2)硬組織マネジメントと関連手術
   3)自家骨移植術 4)骨補填材の種類と特徴 5)骨補填材の形態
   6)骨再生誘導法(GBR法) 7)上顎洞底挙上術 8)仮骨延長術
   9)スプリットクレスト(リッジエキスパンション)
   10)下歯槽神経・血管束側方移動術 11)骨再生療法
   12)審美領域におけるインプラント周囲硬組織マネジメントの実際
  2 軟組織のマネジメント(ソフトティッシュマネジメント)(申 基普j
   1)審美領域におけるインプラント周囲軟組織マネジメントの目的
   2)インプラント周囲軟組織マネジメントの方法
   3)審美領域におけるインプラント周囲軟組織マネジメントの実際
 VI 顎顔面の再建とインプラント
  1 顎顔面欠損の補綴的修復におけるインプラント応用の意義(橋 哲)
   1)顎顔面補綴とは 2)上顎欠損の補綴とインプラントの意義
   3)下顎欠損の補綴とインプラントの意義 4)顔面欠損の補綴とインプラントの意義
  2 上顎の顎補綴へのインプラントの応用(佐々木啓一・小山重人)
  3 下顎の顎補綴へのインプラントの応用
  4 顔面補綴へのインプラントの応用(山下佳雄)
 VII 歯科矯正領域のインプラント(山本照子)
  1 固定源としてのインプラント
  2 臨床的意義
  3 歯科矯正用アンカースクリューの埋入部位
  4 歯科矯正用アンカースクリューの利点と欠点
第6章 リコールとメインテナンス
 I メインテナンスの方法
  1 メインテナンスの必要性(澤瀬 隆)
  2 メインテナンス術式
   1)医療面接 2)メインテナンス時の検査項目
   3)メインテナンス時のプラークコントロールの実際
   4)患者によるホームケアに用いる器具の特徴と使い方
   5)術者によるメインテナンスに用いる器具の特徴と使い方
   6)コンポーネントと咬合の検査と調整
  3 メインテナンスの間隔(西村正宏)
   1)適切なメインテナンスの間隔
   2)メインテナンス間隔の設定に影響するその他の要素
  4 支持療法(児玉利朗)
   1)支持療法の目的・方法 2)累積的防御療法(CIST)
   3)支持療法の重要性
 II 手術および上部構造に関するトラブルとその対応
  1 手術中のトラブルと合併症(嶋田 淳)
   1)手術中の全身的トラブル 2)手術中の局所的トラブル
   3)上顎洞内迷入 4)下顎管の損傷とオトガイ神経領域の知覚障害
   5)インプラント体の初期固定の不良 6)骨折 7)隣接歯の歯根損傷
   8)埋入途中のインプラント体のスタックと破折,マウントの破折
   9)ドリルの破折 10)インプラント体の埋入位置の不良
  2 手術直後のトラブルと合併症(小倉 晋)
   1)神経麻痺 2)上顎洞炎 3)術後出血 4)疼痛 5)腫脹
   6)血腫,出血斑 7)創の裂開,インプラント体の露出 8)感染
   9)インプラント体の脱落
  3 上部構造装着前のトラブルと合併症(近藤尚知)
   1)ヒーリングアバットメント装着時の問題と対処法
   2)暫間上部構造にかかわる問題と対処法
  4 上部構造装着後のトラブルと合併症(尾関雅彦)
   1)スクリューの緩みと破折 2)上部構造の破損
   3)セメントの問題 4)メインテナンス時の問題と対処法
  5 その他の問題と対応(馬場俊輔・中島 康)
   1)器具,コンポーネントの誤飲・誤嚥 2)審美障害
第7章 高齢患者と口腔インプラント治療
 1 高齢者へのインプラントの適用
  1)高齢者の特徴(菊谷 武)
  2)インプラント治療の利点と欠点(前田芳信)
  3)高齢者のための上部構造のデザイン,清掃しやすいデザイン
  4)将来を予想した早期処置とその計画
 2 インプラント患者の高齢化(吉田光由)
  1)メインテナンスと口腔ケアに関する基本的な考え方
  2)自立した(通院可能な)患者に生じる問題とその対応
  3)要支援・要介護(通院不可能な)患者に生じる問題とその対応
  4)アドバンス・ケア・プランニング
第8章 口腔インプラントの新しい方向-将来の展望-
 (渡邉文彦)
 1 再生医療とインプラント治療
 2 CAD/CAMによるガイデッドサージェリーの応用
 3 インプラント治療患者の高齢化
 コラム1 ロジスティック回帰分析,Coxの比例ハザードモデル
 コラム2 骨増生と骨造成
 コラム3 口腔粘膜の構造

 参考文献
 索引