やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

発刊にあたって

 平成12年の診療報酬改定では,医科歯科の初・再診の格差をなくすため,かかりつけ歯科医初診料が新設されました.しかし算定要件が厳しく,スタディモデルまたは口腔内写真に限定されたため,かかりつけ歯科医初診料は13%程度の算定でした.
 今回の改定では最近の厳しい経済動向を踏まえ,医療費の抑制政策の中で合理化として-2.5%,質の向上の観点から+1.2%となり,トータルで-1.3%の改定が行われたわけです.
 これからの医療は,厚生白書(平成7年)のタイトルに「質」「情報」「選択」そして「納得」と書かれておりますが,まさにその流れの延長線上にあるように思われます.
 今回の改定ポイントは,かかりつけ歯科医の機能の評価と,かかりつけ歯科医初診料の算定要件の見直し,さらに歯周疾患のメインテナンスの評価等です.かかりつけ歯科医初診料の算定要件の見直しについては,患者さんがより的確に病態や治療方針等を理解できる有効な方法が追加され,インフォームド・コンセントの評価がなされました.
 そこで,このたび患者さんへの治療方針の説明と情報提供を行うために,「患者さんへの治療説明用病態図・病態写真集」をまとめました.先生方には,良質な医療を提供するために,さらに,かかりつけ歯科医初診料を算定する際に活用していただけると思います.
 本書の出版にあたって,病態図・病態写真を心よくご提供いただきました多くの先生方の多大なご甚力に感謝申し上げます.
 今後,掲載を希望される病態図・病態写真等がございましたら,医歯薬出版にご意見も含めて是非ご一報下さい.
 平成14年4月1日
 編者一同
 本書の構成
■歯の模式図(前歯・臼歯)
■健康な口腔
■プラークの付着・染め出し
■歯石の沈着
■歯肉の退縮
■検 査
■う 蝕
■処 置
■充填,インレー,クラウン・ブリッジ
■有床義歯
■歯周疾患
■外傷・口腔外科
■資 料