やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第5版の序
 1993年に「エッセンシャル法医学」(第1版)が出版されて,すでに18年余りの歳月が過ぎ,この間,法医学を取り巻く環境は大きく様変わりしてきているなかで,これまで旧版の内容を適宜改定し,版を重ねつつ今日に至っていた.しかし,科学技術の進歩や医療を取り巻く社会的変化に対応していくためには,旧版を一掃し,新たな教科書の出版が必要であると考え,このたび「NEWエッセンシャル法医学」(第5版)を出版する運びとなった.
 この間,医療関連法規のうちで改正法あるいは新法が制定されたものもある.たとえば,「臓器の移植に関する法律」(従来法,平成9年10月16日施行)が施行後12年にしてようやく法改正がなされ,平成21年7月17日に公布された.この改正法で最も特筆すべきことは,脳死は一律に「人の死」と位置づけており,移植術に必要な臓器が摘出されるときだけ脳死を認めた従来法とは根本的に異なることである.これにより,われわれが旧版で脳死は人の死であることを主張してきたことが立法化されたことになる.また,社会的に大きな問題を投げかけてきているドメスティック・バイオレンス(DV),児童虐待,高齢者虐待,それに障害者虐待の防止法がそれぞれ立法化され,このなかで障害者虐待防止法は平成23年6月17日に成立し,平成24年10月1日に施行の運びとなっている.
 一方,DNA多型の法医学への応用は分子生物学の発展の下支えにより,著しい成果をもたらした.特にSTR(short tandem repeat)型は,STRとよばれるDNA部位と,性別に関するアメロゲニン部位とを同時に分析可能にした統一キットと自動解析装置を用いることによって,解析能が飛躍的に向上し,国際的にもデータの共有が可能となり,今後の犯罪捜査に大いに貢献することになるであろう.また,分析化学および分析機器の進歩発展により,これまで分析が不可能であった超微量の物質もナノオーダあるいはフェムトオーダまで分析可能にし,これは法中毒学の今後の展開に大きく貢献するものと思われる.なお,各章にはアップデートの知識を導入したほかに,図,写真,表を多数使い,読者諸氏の理解の一助になるように心がけたつもりである.
 本新版を編集するにあたり,編集責任者である長尾正崇教授には,企画,編集,執筆者の選定,ご自身の執筆等を含め,多大のご尽力をいただいたことに感謝申し上げる.また,編集担当された中園一郎教授ならびに山内春夫教授には併せて心から感謝を申しあげる.さらに,本書の企画,編集にあたり,終始ご協力をいただいた医歯薬出版の遠山邦男氏に深甚なる謝意を表する.
 平成24年6月 監修者 取健彦


 近年,医学・医療の著しい進歩に伴い,これらに対する社会のニーズも大きく変りつつある.とくに1968年,日本で初めて行われた和田心臓移植を契機として,また1976年に開発された免疫抑制剤(シクロスポリンA)の臨床応用に伴い,欧米で盛んに行われるようになった臓器移植を契機として,わが国においても個体死の定義,脳死の問題が大きな社会問題となってきている.
 法医学という学問の使命の1つに,この死の判定や定義に関する問題がある.本書では,このヒトの死の問題を第2章で触れ,しかもかなり大胆に論理を展開した.一方,法医学の社会性と時代性を意識し,第8章では現代社会と法医学の接点,第9章では医と法の問題を取り上げた.
 本書は,全国の大学で現在法医学者として活躍している若い気鋭の先生方に執筆していただいた.各内容については,過去の歴史的な方法論などはできるだけ省略し,その代りに科学的にすでに容認されている論理,方法論についてはこれらを積極的に導入した.とくに,最近著しい進歩を遂げているDNAの法医学的応用を積極的に取り上げた.また,中毒の項では法医学の実務のなかで,より頻繁に遭遇する可能性のある薬毒物を中心として執筆したつもりである.
 一方,本書は医学生が将来,臨床の医師になって死体を検案する際の,あるいは医師国家試験の手引きとして便利なように構成したつもりである.理解しやすいように,できるだけ多くの模式図や写真を採用している.勿論,本書は医学部・歯学部学生の教科書としてのみならず,コメディカル関係の学生,臨床医家,司法関係や法曹界の方々にも法医学的理解を深めていただける手引きとなるものと信じている.また,医師国家試験の対象の1つと考えられる死亡診断書の書式およびその書き方については,平成7年度にこれが改正される予定であるが,この件に関しては次の本書改訂版で言及するつもりである.
 本書を編集するにあたり,貴重なご意見をいただいた大島 徹,中園一郎,平岩幸一および山内春夫の各教授方々には深甚なる謝意を表明する.また,出版にあたりご尽力をいただいた医歯薬出版の方々に心から感謝申し上げる.
 平成5年11月 編者
 第5版の序
 序
第1章 法医学概論(取健彦)
 1 法医学とは
  1.定義
  2.刑事法医学と民事法医学
  3.賠償科学
 2 法医学の歴史的変遷
  1.過去
  2.現在
   1)法医学と現代社会との関わり
   2)日本法科学技術学会の誕生とその背景
  3.未来(展望)
 3 法医学における鑑定業務
第2章 死の判定と死因
 1 個体死(取健彦)
  1.定義
  2.生活反応
   1)定義
   2)種類
   3)生活反応と脳死
 2 脳死
  1.定義
  2.脳死と植物状態との違い
  3.脳死判定基準
   1)厚生省の指針と判定基準
   2)その後の経過
 3 死亡時刻
  1.死亡時刻とは
  2.脳死の死亡時刻
 4 死因とその競合
  1.死因の共同
  2.死因の連合
  3.死因の競存
  4.死因の連立
 5 変死体と異状死体(岩瀬博太郎)
  1.変死体
  2.異状死体
  3.検屍と検視
 6 司法解剖と行政解剖
  1.司法解剖
  2.行政解剖・承諾解剖
  3.死体解剖資格と専門医制度
 7 死亡診断書と死体検案書
  1.死体検案の一般的注意事項
  2.死亡診断書・死体検案書発行時の一般的注意事項
  3.死亡診断書・死体検案書の書式,記入の仕方
   1)氏名,性別,生年月日
   2)死亡したとき
   3)死亡したところ及びその種類
   4)死亡の原因
   5)死因の種類
 8 死後CTの死体検案への応用
第3章 死体現象(中園一郎)
 1 早期死体現象
  1.死体の冷却・体温降下
   1)死体の冷却に影響する因子
   2)死体の冷却速度から死後経過時間を推定する方法
  2.死体の乾燥
   1)角膜の混濁
   2)体表の乾燥
  3.血液凝固と線溶現象
  4.死斑・血液就下
   1)死斑の諸性状
  5.死体硬直
   1)死体硬直の発生機転
   2)死体硬直の経時的変化
   3)骨格筋以外の硬直および類似の現象
 2 晩期死体現象
  1.自家融解
  2.腐敗
   1)腐敗の進行に影響を及ぼす因子
   2)腐敗死体の所見
  3.死体の損壊
   1)地上に放置された死体の損壊
   2)水中死体の損壊
  4.白骨化およびその他の現象
   1)水カビの付着と赤色色素産生菌
   2)ピンク歯
   3)白骨化と毛髪の崩壊
 3 特異な死体現象
  1.ミイラ化
  2.死ろう化
  3.特殊永久死体
 4 死後経過時間の推定
  1.死体現象からの死後経過時間の推定
  2.胃腸内容からの食後経過時間の推定
  3.膀胱内尿
  4.アルコール濃度変化:特に血中と尿中との比較
  5.死後経過時間推定の誤りやすい場合
第4章 死因
 1 死因を決定(推定)する際の一般的注意事項(外因死と内因死)(長尾正祟)
  1.内因死と外因死
  2.死因の概念
 2 外因死
  1.損傷
   1)損傷の一般的事項(長尾正祟)
   2)損傷による死因
   3)鋭器損傷
   4)刺器損傷
   5)鈍器損傷
   6)銃器損傷
   7)交通事故
   8)頭部損傷
   9)胸部損傷
   10)腹部損傷
   11)外傷性ショック・ショックの病態生理(磯部一郎)
   12)その他の損傷
  2.窒息(寺沢浩一)
   1)窒息の一般的事項
   2)鼻口閉鎖による窒息死
   3)気道内閉塞による窒息死
   4)縊死
   5)絞死
   6)扼死
   7)溺死
   8)その他の窒息死
  3.異常温度による外因死(岩楯公晴)
   1)熱傷(死)
   2)焼死
   3)低体温症(凍死)
   4)熱中症
   5)凍傷
  4.その他の外因死
   1)感電死
   2)落雷死
   3)減圧症
   4)高山病
   5)化学熱傷
   6)放射線障害
   7)酸素欠乏
   8)飢餓死
 3 内因死(舟山眞人)
  1.国際疾病分類
  2.内因性急死
   1)内因性急死とは
   2)内因性急死をめぐる諸問題
  3.内因性急死の原因疾患
   1)虚血性心疾患
   2)虚血性心疾患以外の心疾患
   3)大動脈系疾患
   4)肺循環系疾患
   5)脳血管障害
   6)呼吸器系疾患
   7)消化器系疾患
   8)その他,注意すべき疾患
   9)原因不明な内因性急死
 4 嬰児殺(長尾正祟)
  1.定義と問題点
   1)定義
   2)医学的特殊性
   3)法律的特殊性
   4)法医診断事項
  2.胎・嬰児の発育程度と生活能力
   1)発育の程度
   2)生活能力
  3.生産・死産の鑑別
   1)死産児の徴候
   2)生産児の徴候
  4.分娩後生存時間の推定法
   1)外表所見
   2)内部所見
  5.死因および手段・方法
   1)嬰児殺の種類と特徴
   2)窒息
   3)損傷
   4)消極的殺児
   5)墜落分娩(墜落産)
第5章 中毒(法中毒)
 1 中毒(前野善孝)
 2 中毒発生と社会環境
  1.薬毒物中毒死の発生状況
  2.薬物乱用の変遷
 3 薬毒物の分類
  1.分析化学的分類
  2.生物活性(生理作用)的分類
 4 中毒発現機構
  1.薬毒物の吸収,代謝,排泄
  2.中毒発現に影響する諸種要因
   1)用量・濃度
   2)化学的性状
   3)投与方法
   4)飲食
   5)薬毒物相互作用
   6)年齢,性別,体質
   7)栄養状態
   8)薬物依存と耐性
 5 薬毒物検査
  1.薬毒物検査の流れ
  2.生体試料の採取
  3.死体試料の採取
  4.試料の採取と保存
  5.薬毒物の抽出法
  6.検出方法
   1)予備試験(スクリーニング)
   2)確認試験(定性・定量分析)
  7.薬毒物検査結果の解釈
   1)細菌による薬毒物の死後産生
   2)薬毒物の死後分解
   3)薬毒物の死後拡散
   4)薬毒物の死後再分布
 6 代表的な中毒
  1.一酸化炭素(前野善孝)
   1)性状と発生状況
   2)中毒作用機序
   3)中毒症状
   4)剖検所見
   5)検査
  2.アルコール(エチルアルコール)
   1)吸収と代謝
   2)排泄
   3)血中アルコール濃度と消失
   4)血中アルコール濃度と酩酊度
   5)測定
   6)アルコールの死後産生
  3.農薬(長尾正祟)
   1)パラコート,ダイコート
   2)有機リン剤
   3)カーバメート剤
  4.神経剤
  5.薬毒物(奈女良 昭)
   1)覚せい剤
   2)麻薬
   3)催眠薬,向精神薬
   4)大麻
   5)幻覚剤
   6)抗うつ薬
  6.その他
   1)シアン化水素,青酸塩
   2)ヒ素
   3)液化石油ガス,天然ガス
   4)硫化水素
   5)シンナー
   6)テトロドトキシン
   7)アコニチン
第6章 性と法医学
 1 妊娠・分娩をめぐる法医学(大島 徹)
  1.妊娠
   1)妊娠の診断
   2)妊娠月数(胎齢)の診断
   3)受胎時期の推定
  2.流産と早産
   1)自然流産および早産
   2)人工流産および早産
   3)堕胎
  3.分娩
   1)分娩時期による分類
   2)産褥
 2 性の異常
  1.性別の異常
   1)個体における性分化および発育過程の障害
   2)性染色体異常と犯罪
  2.生殖機能障害
   1)性交不能性障害
   2)生殖不能性障害
  3.性障害(性欲の異常)
  4.男性同性愛者における身体所見
 3 犯法的性行為(瀬 泉)
  1.わいせつ(猥褻)行為
   1)刑法上の定義
   2)性的風俗に対するわいせつ行為
   3)個人の性的自由を侵害するわいせつ行為
  2.強姦
   1)刑法上の定義
   2)本罪の特徴
   3)強姦被害者に対する法医学的諸検査
   4)加害者に対する法医学的諸検査
   5)その他
第7章 血液型と個人識別
 1 血液型(安田年博)
  1.血液型一般
   1)血液型の歴史的背景
   2)血液型システム
   3)血液型の検査法
  2.代表的な血液型とその検査方法
   1)赤血球抗原型
   2)血清蛋白質型
   3)赤血球酵素型
   4)HLA型
  3.レクチン
   1)種類と性状
   2)血液型への応用
  4.臨床医に必要な血液型の知識
   1)汎凝集反応
   2)血液型不適合輸血
   3)母児間血液型不適合による新生児溶血性疾患
   4)腫瘍マーカーと血液型
   5)造血幹細胞移植と血液型
   6)血液型による親子鑑定と卵性診断
  5.体液の血液型
   1)体液の血液型とその法医学的意義
   2)尿中の血液型
 2 DNA検査(山田良広)
  1.DNA分析の変遷
  2.サザンブロッティング法(DNA指紋法)
   1)DNA指紋法の原理と法医学における限界
   2)その他のDNA指紋法の欠点
  3.PCR法
   1)MCT118型
   2)足利事件
   3)自動解析装置とSTR
   4)常染色体以外のDNA
   5)SNPs
  4.親子鑑定
   1)DNA多型による親子鑑定
   2)卵性診断
 3 物体検査(櫻田宏一)
  1.一般的注意事項
  2.血痕検査
   1)外観検査
   2)血痕予備検査
   3)血痕実性検査
   4)人血検査
   5)血液型検査
   6)DNA型検査
   7)その他の検査
  3.精液検査
   1)外観検査
   2)精液予備検査
   3)精子検査(顕微鏡検査)
   4)血清学的検査
   5)血液型検査およびDNA型検査
  4.毛髪検査
   1)毛の構造
   2)人毛と動物毛の形態的相違
   3)人毛の発生部位による形態的特徴
   4)毛髪鑑定の実際
  5.その他
   1)骨検査
   2)歯牙検査
   3)指紋
 4 法歯科医学(山田良広)
  1.歯の法医学
   1)定義
   2)歯科所見の意義
  2.歯の基礎的知識
   1)乳歯列と永久歯列
   2)歯列弓
   3)う蝕の進行と処置方法
  3.口腔内所見の記録
   1)略語について
   2)デンタルチャート
  4.歯からの性別判定
   1)形態学的性別判定
   2)分析学的性別判定
  5.歯からの年齢推定
   1)形態学的年齢推定
   2)分析学的年齢推定
  6.歯痕
  7.歯からわかるその他のこと
 5 個人識別
  1.生体の個人識別(山内春夫)
   1)記憶喪失,意識不明の人
   2)親子鑑定
   3)卵性診断
   4)国籍不明者など
   5)在留日本人孤児
  2.死体の個人識別(池谷 博)
   1)性別
   2)年齢
   3)身体的特徴
   4)微生物,ウイルスによる個人識別
  3.人骨の個人識別(人類学的検査)(片山一道)
   1)性別判定
   2)死亡年齢の推定
   3)身長推定
   4)人種の推定
   5)死後経過時間の推定
  4.大量死体発生時の個人識別(都築民幸)
   1)個人識別からみた大規模災害とは
   2)個人識別のための情報収集と照合・判定
   3)個人識別のための情報管理
   4)大量死体発生時の個人識別を円滑に行うには
第8章 現代社会と法医学の接点
 1 賠償科学(取健彦)
  1.賠償科学とは
  2.交通事故とむち打ち損傷
   1)むち打ち損傷
  3.PTSD
   1)背景
   2)診断基準
   3)問題点
  4.低髄液圧症候群
   1)概念の歴史的変遷と診断基準
   2)問題点と展望
  5.因果関係と割合的認定
   1)因果関係
   2)割合的認定
 2 先端医療
  1.臓器移植(取健彦)
   1)インフォームドコンセント
   2)生体からの臓器移植
   3)死体からの臓器移植
   4)脳死と臓器移植
  2.生命の誕生をめぐる先端医療(大島 徹)
   1)人工的生殖
   2)人工妊娠中絶
   3)重症新生児医療
  3.救急医療の進歩と法医学
   1)救急救命士制度(長尾正祟)
   2)救急医療と法医学
   3)救急医療と法歯科医学(岩原香織)
 3 臨床法医学・法歯科医学
  1.児童虐待(長尾正祟)
   1)定義
   2)児童虐待の現状
   3)虐待死事例の実際
   4)患児の損傷診断に際しての法医診断学
   5)おわりに
  2.ドメスティック・バイオレンス
   1)配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律
   2)DVの現状
   3)DVに対する対応
  3.高齢者虐待
   1)高齢者虐待防止法による定義
   2)高齢者虐待の現状
   3)高齢者虐待に対する対応
  4.障害者虐待
  5.臨床法歯科医学(都築民幸)
   1)子どものマルトリートメントと歯科
   2)子どものマルトリートメントにみられる頭部・口腔顔面の症状
第9章 医と法
 1 医療行為
  1.患者の基本的人権と自己決定権(山内春夫,長尾正崇)
  2.医療行為となる3条件
   1)治療目的(患者の利益)
   2)医学的に妥当な方法(一般の医療水準)
   3)患者の承諾
  3.医師と免許
   1)医師の医業独占と名称独占
   2)医師免許
  4.医師の義務
   1)医師法による義務
   2)感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律による届出義務
   3)食品衛生法第58条による届出義務
   4)麻薬及び向精神薬取締法第58条の2による届出義務
   5)母体保護法第25条による届出義務
  5.歯科医師の免許と義務(都築民幸)
   1)歯科医師と免許
   2)歯科医師の義務
  6.医療スタッフ・医学生・医業類似行為者(山内春夫,長尾正崇)
  7.医療施設
 2 診療契約(山内春夫,長尾正崇)
  1.医師と患者の契約
  2.患者の医師選択権
  3.説明の義務と自己決定権
  4.医師の裁量権
  5.守秘義務
  6.診療契約による医師の義務
  7.医療スタッフの過失と医師の責任
 3 限界的医療
  1.限界的医療と3 条件
   1)患者の利益と第三者の利益
   2)新しい方法と一般的な医療水準
   3)本人の承諾と代理承諾など
  2.実験医療
   1)ヘルシンキ宣言
   2)臨床実験
   3)遺伝子研究
   4)臓器移植
   5)良心的な輸血の拒否
   6)終末期医療
   7)救急医療
 4 医療事故
  1.医療事故の分類
   1)麻酔事故
   2)注射事故
   3)診断用試験ならびに造影剤事故(検査事故)
  2.医療過誤
   1)予見義務と回避義務
   2)医療水準
   3)刑事責任・民事責任・行政処分
  3.医事紛争
   1)不法行為と債務不履行
   2)医療事故発生時の対応
   3)医療事故に対するシステム
   4)診療関連死の調査・評価とプロフェッショナル・オートノミー
関連法規
 A.医師法関係
  1.医師法
  2.医師法施行規則
 B.医療法
 C.日本国憲法
 D.刑事法関係
  1.刑法
  2.軽犯罪法
  3.刑事訴訟法
  4.死体取扱規則
 E.民事法関係
  1.民法
  2.戸籍法
  3.民事訴訟法
 F.医療関係法規
  1.死体解剖保存法
  2.食品衛生法
  3.検疫法
  4.死産の届出に関する規程
  5.精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
  6.母体保護法
  7.臓器の移植に関する法律
  8.麻薬及び向精神薬取締法
  9.覚せい剤取締法

 索引
  和文索引
  欧文索引