やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

改訂版の発刊に際して
 初版『医療原論』では,東西医学の融合・統合を志していたが,それまで志向していた「多から一」の統合は無理ではないかと諦めかけていた時に,ベルグソンの「一に向かうのではなく,一から身を起こす」という言葉に触発され,それまでのアプローチは逆であったことの気づきが,執筆する原動力となった.
 全く逆の「一から多」の統合なら可能だと考え,多くに枝分かれしている世界各地の伝統醫療の「一」すなわち共通基盤を探究した.その結果,医学の祖・ヒポクラテス,看護のパイオニア・ナイチンゲール,伝統醫療の古典医書などに共通する,《いのち》とそのハタラキである《自然治癒力》に辿り着くことができた.
 その〈多即一の知的プロセス〉を纏め,2011年3月に完成原稿を入稿した直後の3月11日に,東日本大震災が起きた.また,それが引きがねとなり原発事故も勃発し,大混乱に陥ったことを鮮明に覚えている.現在も,その爪痕は大きく残されており,原発の問題なども収拾の目途が立たないまま,今日を迎えている.
 果たして,我々人類は環境破壊をはじめ,戦争や民族紛争などの,現在直面している危機的状況を乗り越えることができるのであろうか.執筆以降,このような問題意識をも包含できる,死生観の確立に取り組んできた.
 今回,改訂版を出版することにした大きな理由は,始原東洋医学,プロジェクト「いのち」ならびに,いのちの医療哲学研究会の同志らと対話ならびに実践を重ね,《いのち》に立脚した,〈一即多の体験的プロセス〉の自感・自覚を深め,体認自証することができたことによる.そのプロセスの概略を改訂版では,第10章「いのち学としての全一学」,第11章「いのちに立脚した『医学・医療原論』の骨子」として新たに章を立て執筆した.
 また,第12章は,実践・始原東洋医学に関する新たな臨床研究および基礎研究の成果を加筆した.さらに有川医院研修録・有川貞清先生語録を掲載することにより,医学の理論および医療の実践の統合を明確にした.
 西田幾多郎に憧れ,東西医学の融合・統合を志し,これまで何度も挫折してきた.その原因は,頭だけで理解しようとしていたことによる.森信三が提唱した『全一学』も「体認自証」も知ってはいた.しかし,腑に落ちていなかった.50歳を過ぎた頃から,漸く,腑に落ちてきて,あたまの理解(理性)とからだの体感(感性)とが繋がったのである.
 それまでは,「太極・陰陽」などの《図のいのち》しか認識していなかった.今回,《地のいのち》と表現したことは,「絶対無の場所」や「無極」などの言葉は知っており,頭では理解しているつもりになっていたが,《いのち》を《からだ》で自感・自覚・自証するまでには至っていなかったことに気づくことができたのである.
 今年の12月3・4日に,人体科学会第26回大会のテーマを『医学・医療を哲学する-いのちの根源を見据えて-』と設定し,約3年間に渡り対話を深め,企画・立案してきた,いのちの医療哲学研究会のメンバーらが実行委員となり開催した.また多くの方々の御協力により,成功裡に閉幕することができた.本大会で発表して頂いた先生方の発表・実演内容だけではなく,参加して頂いた生活者の方々との共感・共振を目の当たりにして,各々,個性や具体的な方法論は異なるが,同じ方向性を志向していることを再認識することができた.
 澤瀉久敬の「個性の深化は普遍化である」(多即一の側面)と「哲学は反省が深まるほど個性的となる」(一即多の側面).この関係を端的に示した〈重層的逆転的二元的一元論〉を継承・発展させ,各人が医学原論・医療原論・看護学原論さらには生活者原論などを,構築してゆくことが我々に課せられた使命であることを確信した.
 本著の〈多即一の知的プロセス〉と本著の続編である〈一即多の体験的プロセス〉の『医学・医療原論』を執筆することにより,自証し共創してゆくための,出発点に立つことができたと認識している.読者御一人おひとりが,生活者としての医療実践および医療の土台となるセルフケアを実践するための,一助となれば光栄である.
 改訂に際し,医歯薬出版株式会社の関係者にお世話になりました.ここに記して深謝致します.
 平成28年12月15日
 編者 渡邉 勝之



推薦の序
 渡邉勝之博士らが今回『医療原論 いのち・自然治癒力』と題する一著書を上梓されることになった.まことに意義深い快事である.
 私は西洋医学を学び,内科のみならず社会の健康を問題にする社会医学,さらに途上国の保健・医療にかかわる国際保健という分野を経験し,現在は看取りの医療に携わる医学徒であり,決して伝統医学に通ずるものではない.
 伝統医学と,科学の一分野とされる現代医学のもっとも大きな違いは,観察事実と知識を,後者においては数量化表現していることだろう.これは知識を凡庸なものにでも確実に伝達する道を開いた.
 西洋医学の祖といわれるヒポクラテスの著「空気,水,大地」には,医師が患者について知るべきこととして,患者がどのような環境にすみ,どのような食物を取り,どのような職業につき,生活態度はどのようであるかなどの,現在の医師が知るべきほとんどすべての要因について注意を払うべきと記されている.
 注意するとは観察することであり,何よりも感ずることである.感ずるものが感じ得ない者に知識を伝達するのは不可能である.歴史的に伝統医学において名医が現れてもその知識が後世に伝わらない理由はここにある.
 私自身も故有川貞清先生が望診を行い,簡単な治療で即座に驚くべき効果を上げるのを観た.その診断技法を学ぼうとして根が続かず私は挫折した.渡邉博士によれば,それができるためには数年かかったという.
 本書は,代表的伝統医学がどのようにいのちを考えてきたかの歴史を哲学的に概観し,将来への方向性を示唆したのち,東洋医学の実践法を紹介している.読者はその広い視野とさまざまな考え方に触発されると同時に楽しまれるであろう.
 東京大学名誉教授 大井 玄



発刊に際して
 今,医療のかたちは,大きく変わろうとしている.特に先進国においては,その兆候は明らかである.
 これまで,先進国といわれる国々においては,現代西洋医学による一元的医療システムが中心であった.しかし,その医療システムは大きく揺らいでいる.その主要因には,疾病構造の変化,医療費の高騰,患者の権利等が挙げられているが,要するに治らない,治りにくい疾病が増加したことによる.その背景要因は,少子高齢化による社会構造の変化であるが,人々の価値観の多様化も無視できない要因である.
 科学が進歩すれば,その恩恵を余すことなく享受できるはずであり,その象徴的な分野の代表がITである.そのことは,医療の分野においても当然ながら成立するはずであると誰もが期待した.今や感染症の恐怖から解放され,臓器移植による治療が展開され,さらには再生医学や進化医学へと,奇跡の医学に期待が寄せられている.
 このように生物学的医学における科学の進歩に疑いの余地を挟むものではないが,マクロ的にみると医学が進歩・発展した今においても患者数は増え続け,医療費は膨らむばかりである.むしろ,生活習慣病や心の病などの慢性病は確実に増加している.すなわち人の病は増え,病苦は拡大している.
 そうした医療の現実を直視し,患者中心の医学を構築しようとして,現代西洋医学による一元的医療システムから伝統医療や補完代替医療をも取り込んだ多元的医療システムへと移行し始めた.今もその試みは遂行されているが,近年ではそれらを超える統合医療が提唱され,様々な試みが行われるようになった.
 このように今,医療のかたちは大きく変わろうとしている.どの方向に向かうのか,混迷のようにも見えるが,それは新しい医療の形を産むための陣痛なのかも知れない.今はどの方向に向かうのかは定かではないが,そうした時代の中で混迷から脱却し,新しい医療のかたちを創造するには,編者の渡邉が述べているように「統一に向かうのではなく,統一から出発する」視点は極めて示唆的である.西洋と東洋の異なる思想や視点を統一することは極めて困難である.できたとしてもそれは補完医療のように,両者の欠点や不得手な分野をカバーしあい,共栄・共存の関係に留まるものであろう.しかし,今求められていることは,それを超えた新しい医療である.
 真の統合医療を医療の地平に見据えて,その共通基盤を構築しようと思索と実践を通して練り上げ,まとめたものが本書である.本書は,医療の共通する原点を時間と空間の織りなすカオスの中から抽出する作業を行ったものである.すなわち「統一から出発」できる共通基盤を構築すべき,COREの提言を勇気と確信をもって世に問うたのである.それは決して思弁的でもなく,机上の空論でもなく,実証的であることを「始原東洋医学」としての鍼灸臨床の実践により示したのである.
 《いのち》を《いのちする》ことを医療・医学の究極的な目的とすることに共鳴する人々には,渡邉らの真摯な提言に共振することになるであろうし,そうでない立場に立つ人にとっても今一度,医療の原点を自問する契機になるものと思われる.
 本書は,ようやく上梓されたが,それは厳しい批判に晒され,過酷な試練を受けることを覚悟したもので,そのことを経ることによって本書は必ずや人々を動かす力強い光を放つ書になるであろう.そのことを心から念願し,本書の発行に当たっての「辞」としたい.
 平成23年 新年を迎えて
 明治国際医療大学 鍼灸学部長 矢野 忠



まえがき
 本書は医学・医療の源流を探求し,「時間論(歴史)」と「空間論(世界)」ならびに〈物質〉・〈精神〉を分けない《いのち》の深層領域である「場所論(ハイポ時間・ハイポ空間)」を踏まえた『医療原論』を構築することを目的としている.
 《原論》とは,医学・医療の原理を明らかにし,理論的基盤を構築していくことを意図している.本書では医学・医療の原理を《いのち》と捉え,また《いのちのはたらき》としての《自然治癒力》を基盤とした医療原論を構築し,医療を実践していくことを提唱した.
 日本における「医哲学」のパイオニアである,故・澤瀉久敬は「医学の立場で生命を論ずるものではなく,生命の立場で医学を論ずるものでなければならない.概論(原論)とは哲学することであり,哲学するとは自分自身で考えることであり,生命の自覚である」と述べている.筆者は,澤瀉の哲学に共感し,医療従事者の立場から自己批判・自己反省してきた.その結果《いのち》の“自感・自覚・自証”を通して,《いのち》を《CORE》に位置づけた《原論》を継承し,発展させてゆきたいと考えている.そのためには,始原医術の「原始感覚(印知感覚)」を覚醒させ,伝統醫学が重視する「直観・論理(文字)」と近代医学が重視する「反省・論理(数字)」を止揚した形での“自感・自覚・自証”が重要となる.
 “自感”とは,細胞一つひとつが《いのちする》のを感知する(印知する)ことである.
 “自覚”とは,統合された“自感”を全細胞で認識することである.すなわち,頭だけの知識や理解ではなく,全細胞で体認する(印響する)ことである.
 “自証”とは,“自感・自覚”に基づいて,生活および人生を全うすることである.すなわち,西田幾多郎の「行為的直観」,安藤昌益の「直耕」を実践することである.
 上記の「原始感覚(印知感覚)」を用いた気の医術を,本書では医学・医療の《始原》と捉えている.この文字文化以前(プレ・アニミズム,宗教以前,農耕文化以前)の医学・医療を明らかにし,創造的再編成してゆくことが,日本における医学・医療の特殊性[地域性]を明らかにするだけではなく,[個人性][特殊性][普遍性]を統合した,これからの医学・医療の進むべき方向性(道)を明示することができるアプローチだと考えている.
 本書は医学概論,医療概論,統合医療概論,医学・医療の歴史ならびに補完・代替医療に関連するテキストとして使用しやすいように,先駆者らの業績・著書・論文を参考および引用させて頂きました.また多くの方々の御協力により『医療原論』として,発刊することができました.医歯薬出版株式会社・竹内 大氏ほか関係者に厚く御礼申し上げます.
 平成22年12月15日
 編者 渡邉勝之
 改訂版の発刊に際して 推薦の序 発刊に際して まえがき
序章 医療原論の構想
 (渡邉勝之)
第1章 総論
 (渡邉勝之)
 はじめに
 1.《いのち》について
 2.医学・医療の歴史的変遷・時間的理解
 3.医学・医療の現状・空間的理解
 4.医学・医療の進むべき方向性(道)
第2章 PHC・統合医学・始原医学とは
 (渡邉勝之)
 はじめに
 1.医療原論構築に向けての「教・学・術・道」
 2.4つの統合
 3.WHOのこれまでの活動と方向性
  1)PHCシステムにおける伝統醫学の位置づけ 2)HFAとNew HFA
  3)健康の定義(改正案:1999年) 4)IPW(1988 年)
  5)ヘルスプロモーション(健康増進に関するオタワ憲章:1986年)
 4.統合医療とは
  1)アメリカにおける統合医療の定義 2)統合医療の基本理念
  3)日本統合医療学会の定義・方向性 4)瀬戸山元一による統合医療の理念
 5.保健[未病]・診療[治療]・福祉[養生]の統合
  1)ホリスティック医学の定義 2)ホロトロピック医療
 6.ナイチンゲールの看護論
 7.PHC・統合医学・始原医学と《CORE》medicine
第3章 医学と医療
 (渡邉勝之)
 はじめに
 1.医学原論
 2.医学と医療
  1)医学とは 2)医療とは
 3.医学・医療に関する新しい学問領域
  1)医療社会学 2)ケアの科学 3)一人称の科学 4)健康生成論
第4章 文字文化成立以前における医学・医療(始原医術)
 (渡邉勝之)
 1.医学史の意義
 2.医学史の方法
  1)方法論的遡及主義 2)全体論的アプローチ
 3.医学・医療の起源
  1)始原医術:プレ・アニミズム 2)原始医術:アニミズム
  3)魔法医術:シャーマニズム(い)
 4.気の医術と呪術的医療(い)
第5章 西洋における医学・医療の歴史
 (渡邉勝之)
 1.西洋における古代の医学と中世の医学
  1)古代の医学 2)中世の医学
 2.ルネッサンスの医学
 3.欧米の伝統医学
  1)ドイツの自然療法:Naturheilverfahfen 2)植物療法
  3)ホメオパシー(同種療法) 4)物理療法 5)催眠医学・深層心理学
  6)精神医学の発展 7)オステオパシー 8)カイロプラクティック
 4.近代医学の特徴/「医」:細胞病理学説
  1)ガレノス医学との決別 2)コモン・センスおよび気の概念の喪失
  3)近代医学の登場
 5.ユナニ・ティブ:世界三大伝統医学
  1)歴史的背景 2)医学理論 3)アラビア医学の現状
第6章 インドにおける医学・医療の歴史
 (渡邉勝之)
 1.インド伝統医学
  1)アーユルヴェーダ 2)歴史的背景 3)医学理論
 2.仏教医学(チベット医学・モンゴル医学・顕教医学)
第7章 中国における医学・医療の歴史
 (渡邉勝之)
 1.伝統中国医学:世界三大伝統医学
  1)始原東洋医学における古典医書 2)古代
 2.中国の文化圏
  1)黄河文化圏:経穴・経絡の発見 2)長江文化圏 3)江南文化圏
 3.伝統中国医学の歴史
  1)晋・南北朝時代 2)隋代 3)唐代 4)宋代(960〜1279年)
  5)金(1115〜1234年)・元(1271〜1368年)時代
  6)明代(1368〜1644年)・清代(1644〜1911年)
  7)中国伝統医学から中医学へ
第8章 日本における医学・医療の歴史
 (渡邉勝之)
 はじめに
 1.古代以前の医学と医療の歴史
 2.古代の医学
  1)大和・飛鳥時代 2)奈良時代 3)平安時代
 3.中世の医学
  1)鎌倉時代 2)南北朝時代 3)室町時代
 4.近世の医学
  1)安土桃山時代 2)江戸時代
 5.近代の医学と医療
  1)明治時代 2)明治から第二次世界大戦後に至るまでの医学・医療
 6.明治〜昭和時代の鍼灸医学
  1)明治時代 2)昭和時代
  3)鍼灸医学の基礎研究および臨床研究(明治〜昭和時代)
 7.鍼灸教育制度
  1)明治以降の鍼灸教育制度 2)第二次世界大戦後の鍼灸教育制度
  3)日本の鍼灸高等教育:大学および大学院(博士前期課程・後期課程)
第9章 《いのち》の哲学と《CORE》medicineの提唱
 (渡邉勝之)
 はじめに
 1.《医療原論》・《いのち》の哲学の構築に向けて
  1)西田幾多郎の「絶対無の場所」と“行為的直観”
  2)有川貞清の「潜象界」“印感” 3)安藤昌益の「土活真」と“直耕”
  4)西田幾多郎,有川貞清,安藤昌益の共通点
 2.科学の知と臨床の知
 3.いのち[生命・人生・生活・霊性]の哲学
 4.場所的論理と対象的論理
 5.新しい科学的思考・判断:[還元的アプローチと創発的アプローチ]
 6.自然観:生物的自然・物質的自然・王然・天然
  1)生物的自然(physis):副詞的・形容詞的自然
  2)物質的自然(nature):名詞的自然 3)王然(現象界+潜象界)
  4)天然:動詞的自然 5)相違する自然観の要因
 7.ケン・ウィルバーと西田幾多郎の世界観
 8.原初存在・瑛・霊性
  1)原初存在[澤瀉久敬] 2)生命観 3)健康観・病気観
 9.人間観・身体観
  1)澤瀉久敬の人間観 2)有川貞清の身体観
  3)間中喜雄の身体観 4)原始信号系,情報系,エネルギー系とは
  5)間中喜雄:「X―信号系」理論 6)有川貞清:「湯液・鍼灸作用同一論」
 10.医療教育・医療学・医療術・医療道の共通基盤《CORE》
  1)教とは 2)学とは 3)術とは
  4)道とは:《いのち》の自感・自覚・自証
 11.《いのち》のはたらきとしての“気”と“自然治癒力”
  1)澤瀉久敬の気:《生命の原理》 2)有川貞清の印気
  3)自然治癒力とは
 12.《CORE》medicineの基盤
 13.日本における鍼灸医学の統合
 14.《CORE》medicine実現へ向けての提言
 15.《CORE》medicineの基本理念
  1)『和・輪(環)・話』の医療 2)CORE・core・care・cureの医学と医療
  3)チーム医療と,未病・治療・養生を統合した医療
第10章 いのち学としての全一学
 (渡邉勝之)
 1.背景
 2.問題意識
 3.澤瀉久敬の東洋医学に関する問題提起への解答
 4.世界観(物語):宇宙の対生成・対消滅と維持【創造・維持・破壊】
 5.生命観・死生観:生命の誕生・成長・維持・死滅
  1)生命観について 2)死生観
  3)いのち観:絶対の《地のいのち》と相対の《図のいのち》二面性
第11章 いのちに立脚した『医学・医療原論』の骨子
 (渡邉勝之)
 はじめに
 1.いのち学としての《全一学》
 2.一即多としての統合:《CORE》medicine & Healthの提唱
 3.東洋的な無我の立場と西洋的な自我の立場の統合
 4.生活者の「いのちの主人公,からだの責任者」:自覚(立命)と責任(使命)
 主要参考文献(第1章〜第11章)
第12章 実践・始原東洋医学
 1.始原東洋医学概論(飯泉充長)
 はじめに
  1)始原東洋医学とは 2)始原東洋医学の世界観
 2.切診〜始原東洋医学の切診について〜(加藤 淳)
  1)[切診]:[気]・[経絡]・[反応点]について 2)経絡実験
  3)始原東洋医学の基礎について 4)[印知感覚]を獲得するための練習法
 3.始原東洋医学と聞診(徳留一博)
 はじめに
  1)臨床例 2)始原東洋医学にみる聞診・望診
 4.望診〜始原東洋医学の望診について〜(内田匠治)
 はじめに
  1)[気滞]について 2)[気滞]から反応点に伸びるラインについて
  3)[望診]における[気滞]の見え方について
  4)始原東洋医学による望診の復活
  5)[望診]の発達過程の自己評価について
  6)[望診]獲得への道筋(経験の分析)と道標(有川の言葉)
  7)始原東洋医学の練習全般に関わるコツ
 5.基礎研究および臨床研究―始原東洋医学に関する研究
  1)背景(渡邉勝之)
  2)基礎研究(渡邉勝之)
  3)臨床研究:強力反応点への鍼灸施術の有効性に関する研究(渡邉勝之・石賀周一)
  4)臨床報告:始原東洋医学の構築に向けて(1〜28)全日本鍼灸学会および人体科学会発表症例の抜粋(渡邉勝之・橋本多聞・田邊寛吉・大場健二・中村塁)
  参考文献

 補遺:有川医院研修録・有川貞清先生語録
 あとがき
 索引