エンド治療に一生懸命取り組んでいる方々へ
エンド難症例に挑戦するために
内容紹介
エンド難治症例(再治療症例)は非常に多く,その原因は,根尖孔付近の根管あるいは根尖孔周囲の細菌が除去できないことにあります.
難治症例とは,
@ 自発痛,打診痛,咬合痛,違和感などが消退しない
A 根管内から排膿が止まらない
B 患歯の歯肉の腫脹が収まらない
C 根尖透過像が縮小しない
などの症例です.
本書の基礎編は,エンド治療の考え方やエンド治療の具体的な内容,さらには超音波吸引洗浄器やマイクロエキスカなどを用いた根管内や根尖孔周囲の細菌除去などについて具体的に解説.臨床編は,感染根管治療,マイクロエキスカを用いた再治療,破折ファイルの除去,ガッタパーチャの除去,根尖部アマルガムの除去,ポケット内の清掃などについて多数の症例で解説した必読の書.
目次
1 はじめに
2 難治症例とは
3 歯内療法は言われてきたほど治っていない
4 歯内療法が言われてきたほど治っていないことの原因
5 感染根管治療の目的は根管内(主に根尖孔付近)の消毒ではなく細菌を除去することである
6 根尖治療の考え方
7 根管内に生きた細菌を残したまま根管充填されることが多い(不十分な根管内細菌の除去)
8 再発(再感染)の原因はコロナルリーケージか根尖部付近に残存した細菌か
9 根尖部付近に残存した細菌の生存の可能性
10 根尖孔付近の細菌除去のためには,根尖孔が穿通されていなければならない
11 根尖孔周囲の細菌除去のためには,根尖部の根管がある程度広く形成されていなくてはならない
12 根管内(主に根尖部)の細菌を除去するためには,十分な洗浄が有効である
13 根管内(主に根尖部)の細菌を除去するためには,マイクロエキスカの使用が有効である
14 マイクロエキスカとは
15 マイクロエキスカで何ができるか
16 根尖部の根管の形態とマイクロエキスカ
17 ガッタパーチャの除去
18 根尖歯周組織内に溢出(残存)した根管充填材の除去
19 MTA根管充填とは
20 CBCTの有用性
21 まとめ
II 臨床編
1 感染根管治療
2 再治療
3 破折ファイル除去
4 ガッタパーチャの除去
5 根尖部アマルガムの除去
6 ポケット内の清掃
7 マイクロエキスカの手入れ
8 まとめ
9 終わりに
著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.
小林千尋【こばやしちひろ】
1975年 東京医科歯科大学歯学部卒業
1979年 東京医科歯科大学大学院修了
医学博士
1979年 東京医科歯科大学助手
1982年 東京医科歯科大学講師
1983年12月〜1985年1月
文部省在外研究員として
米国テンプル大学に留学
1992年 東京医科歯科大学歯科保存学
第三講座助教授
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科
摂食機能保存学講座歯髄生物学分野准教授
2013年 東京医科歯科大学退職
東京医科歯科大学歯学部附属病院
歯科総合診療部非常勤講師
主な著書:オートリバースハンドピースを用いたニッケルチタンファイル根管形成法(2000,医歯薬出版)
新楽しくわかるクリニカルエンドドントロジー(2012,医歯薬出版)
根管洗浄─よりよい治癒を目指して(2012,医歯薬出版)
MTAの臨床─よりよいエンドの治癒を目指して(2013,医歯薬出版)
戸田賀世【とだかよ】
1994年 東京医科歯科大学歯学部卒業
1998年 東京医科歯科大学大学院(生体有機材料学専攻)修了
1998年〜2001年
虎の門病院 歯科 非常勤勤務
2001年 東京大学大学院工学系研究科 非常勤講師
2005年 ソウデンタルオフィス開業