内容紹介
遺伝性神経変性疾患についてはこの30年の研究の進歩はめざましいものがあり,その多くについて病因遺伝子が同定され,病態機序の解析が進み,治療法の研究も精力的に行われている.本特集では神経変性疾患の病態機序の解明,解明された機序に基づく治療法の実現について最新のトピックをまとめた.
目次
1.Proteinopathyからみた神経変性疾患の病態機序
2.Omicsからみた神経変性疾患の病態機序
3.RNA biologyからみた神経変性疾患の病態機序(1) 脊髄小脳失調症31型(SCA31)の病態
4.RNA biologyからみた神経変性疾患の病態機序(2) 孤発性ALS運動ニューロンにみられるRNA編集低下とTDP-43病理の分子連関メカニズム
5.RNA biologyからみた神経変性疾患の病態機序(3) ノンコーディングRNAと神経変性疾患
6.RNA biologyからみた神経変性疾患の病態機序(4) リピート伸長とRAN translation
7.軸索腫大を伴う遺伝性びまん性白質脳症の臨床と分子病態
8.近位筋優位遺伝性運動感覚ニューロパチー(HMSN-P)とTRK-fused gene―運動ニューロン疾患の新しい病態機序
9.パーキンソン病と多系統萎縮症における遺伝因子
10.疾患感受性遺伝子からみたAlzheimer病の病態機序
11.神経変性疾患におけるエピジェネティクスの関与
神経変性疾患の治療の新しい展開
12.神経変性疾患に対する臨床試験・治験
13.アカデミア主導の臨床開発の拠点とネットワーク
14.球脊髄性筋萎縮症に対するdisease-modifying therapy
15.アカデミア主導による筋萎縮性側索硬化症に対する新規治療法の開発
16.アルツハイマー病に対する根本治療薬
17.Niemann-Pick病C型の神経症状の治療
18.シャペロン療法―飲んで効く脳障害の治療法
19.副腎白質ジストロフィーに対する造血幹細胞移植
20.家族性アミロイドポリニューロパチー
21.Crow-Fukase症候群―病態と治療
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辻省次 編