オーバービュー:慢性期脊髄損傷患者における尿路管理の実際 |
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仙石 淳 乃美昌司 |
key words 脊髄損傷 下部尿路機能障害 神経因性膀胱 慢性期尿路管理 |
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内容のポイントQ&A |
Q1 |
慢性期脊髄損傷患者の尿路管理の実際は? |
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慢性期における尿路管理の方針(腎機能・上部尿路の保全,低圧排尿・低圧蓄尿,感染や有害な自律神経過反射の防止,QOL を考慮)に基づくフォローアップによって,現行の排尿方法の適切な実施と,必要時には他の排尿方法への変更を指導する. |
Q2 |
検査法は何を用いているか? |
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慢性期尿路管理のフォローアップとしては,1 〜 2 カ月ごとの診察時の検尿(尿沈渣)と1 〜 2 年ごとの腎・膀胱部超音波検査,膀胱造影,排泄性腎盂造影による上部・下部尿路のサーベイランスをルーチンワークとする. |
Q3 |
排尿方法の選択のポイントは? |
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尿流動態検査による下部尿路機能障害の評価と脊髄損傷による全身的なADL 評価をもとに,患者のQOL(ニーズ)も考慮して,自排尿から留置カテーテル法までの優先順位のなかで継続可能な排尿方法を検討する. |
Q4 |
「慢性期脊髄損傷における排尿障害の診療ガイドライン」(日本排尿機能学会,2005 年)の概要と課題は? |
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慢性期脊髄損傷における排尿障害の診断法と,経過観察を含めた治療法の選択指針がアルゴリズムの形で表示されている.課題としては,泌尿器科専門医以外での実用性の問題と,排尿方法の選択指針において自排尿可能なケースまで間欠導尿を選択する可能性のあることが考えられる. |