回復期医療の現場では(3) 平成20年度診療報酬改定のメリットとデメリット |
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森本 茂 |
Key Words 診療報酬 回復期リハビリテーション 包括医療 胃瘻 |
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内容のポイントQ&A |
Q1 |
リハビリテーション部門の特徴は? |
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全病床数199床,回復期リハ病棟2棟99床のリハ専門病院である.2008年において奈良県内の全病院のなかで,脳卒中入院患者数が最も多かった.直線10 m天井リフト式とトレッドミル設置型の2台のBWS(体重免荷歩行装置;body weight suppurt)を有していることは,大きな特徴である. |
Q2 |
診療報酬制度による変化は? |
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特に大きな問題は,重症例では発症2カ月までに回復期リハ病院に転院することが困難である場合があること,重症軽症の程度に関係なく一律に疾患群別に90日,150日,180日とリハ医療の期間が規定されていることである. |
Q3 |
リハビリテーション医としての関与の変化は? |
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回復期リハ病棟では,重症患者は病状がまだ安定していない2カ月以内の期間で受け入れるので,転院後に全身状態の急な変化が生じ,内科的・脳神経外科的・神経内科的な処置が増えている.当院に転院してから1カ月以内に逆転院する症例がやや増えている. |
Q4 |
現状のリハビリテーション診療報酬制度をどうみるか? |
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包括医療である回復期リハ病棟では,過小医療にならないようにしなくてはならない.医療行為の安全性を高めることにコストを省いてはならない. |