Q1. |
障害半球別の失語症と利き手の関係は?
・利き手が右手であるとき,言語機能は左半球が重要な役割を担う.右利きである失語症の病変のほとんどが左側にある.
・利き手が左手または両手の場合(非右利き)は,右利きほど左半球の優位性は明らかではない.非右利きの失語症で,左側に病変があるのは60%程度である.
・利き手が右手である失語症で,病変が右側にある場合は交叉性失語と呼ばれる.
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Q2. |
Broca/Wenicke領野のMRI上の指標とその局在性は?
・Broca領野は,下前頭回の三角部,弁蓋部に相当する領域である.MRI水平断では,外側溝がコの字に見える部位の断面で,コの字1画目にあたる上行枝の前方が三角部,その後方が弁蓋部である.
・Broca領野に限局した病変ではBroca失語を生じない.
・典型的なBroca失語は,Broca領野を含む下前頭回,中前頭回後部と中心前回下部を含む広い病巣で生じる.
・Wernicke領野は,矢状断でみて上側頭回後方1/3領域の部位である.MRI水平断では,Broca領野が見える同じ断面で,横側頭回があれば,その直後がWernicke領野に相当する上側頭回である.
・Wernicke失語は,Wernicke領野を含む側頭葉後方,頭頂葉に広がる病巣によって生じる.
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Q3. |
角回のMRI上の目印と優位半球における欠落症状は?
・角回は,MRI水平断では,側脳室の体部がややくびれる断面で,側脳室の後角の延長線上にある.
・優位半球における角回付近の欠落症状は,手指失認,失書,左右失認,失算の4徴を呈するGerstmann症候群である.
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Q4. |
その他の失語型で病巣が確立されているものは?
・純粋語唖は,言語優位半球の中心前回下部の病巣で生じる.
・伝導失語は,言語優位半球の縁上回を含む病巣で生じる.
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Q5. |
失語症の重症度・予後と関係する画像は?
・失語症の重症度,その予後は,発症年齢,病前の言語能力,病変部位,広さ,発症初期の言語症状,非言語優位半球の機能など,複合的な要因がかかわる.
・解剖学的に病変の部位,範囲を評価するのには,CT,MRI,機能的な脳の評価には,脳血流シンチグラフィが用いられ,総合的に評価する.
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