特集 片麻痺の手−利き手交換でいいのか?特集にあたって 片麻痺には健側がある.歩くためには患側の下肢も使わなければならないが,日常生活動作の多くは健側上肢だけでできてしまう.麻痺のために使いにくくなった手を一生懸命,訓練して使わなくても健側をうまく使うことでなんとかなるということである.ちょうど,片側上肢切断者が使いにくい義手装着を避けて,非切断側だけでなんでもやってしまうのと同じである.医療におけるリハビリテーション(以下リハ)の焦点は早期離床,早期退院,そして日常生活の自立に向けられている.したがって,リハの効果は能力低下の改善,さらには改善効率で測られているのが現状である.しかし,能力低下の改善だけで満足してよいのであろうか.能力低下の改善に関係ないからといって,機能障害を軽視してはいないだろうか.本来,訓練介入によって改善が期待できる機能障害を見逃してはいないだろうかと自問する. (編集委員会) |
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オーバービュー−神経科学からみた片麻痺の手の治療神作憲司key words 中枢神経 可塑性 利き手交換 拘束誘導運動療法 大脳皮質刺激 運動学習研究の知見に基づいたリハビリテーションストラテジー野崎大地key words 神経リハビリテーション 片麻痺 両腕運動 両側性トレーニング 運動学習モデル 内容のポイントQ&A
片麻痺の回復パターンと同側性運動路の関与山田 深key words 同側性脊髄下行路 前皮質脊髄路 両側性支配 可塑性 内容のポイントQ&A
ロボット工学の麻痺治療への応用−大脳皮質機能の変化佐伯 覚 松嶋康之 越智光宏 和田 太 蜂須賀研二key words 上肢ロボット 片麻痺 両手動作 脳賦活効果 内容のポイントQ&A
新しい治療的電気刺激療法−Biofeedback技術の応用も含めて原 行弘key words 治療的電気刺激 脳卒中 片麻痺 リハビリテーション バイオフィードバック 内容のポイントQ&A
反復経頭蓋磁気刺激による麻痺改善効果竹内直行 生駒一憲key words 脳卒中 リハビリテーション 経頭蓋磁気刺激 可塑性 内容のポイントQ&A
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