Q1. |
予後予測は?
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は,呼吸管理の進歩により,呼吸管理をしながら生活をする期間が飛躍的に延長した.わが国での平均寿命は約28歳であり,30代後半まで電動車椅子で生活できる例もみられるようになっている.予後の改善によって呼吸管理をしながら生活の質(QOL)を維持することが求められる.
|
Q2. |
在宅における呼吸管理は?
非侵襲的人工呼吸療法(Noninvasive ventilation:NIV)の活用が一般化している.NIVの導入と呼吸理学療法との併用によって,気道クリアランスが維持されやすい.食事・発声・入浴等のADL介助が容易になり,行動範囲を広げることができる.
|
Q3. |
ADLと福祉機器の導入は?
主介護者の多くは母親であり,障害の進行とともに介護負担が増し,介護疲労・腰痛が起こりやすくなる.家族が,住宅改修や車両購入について長期計画が立てられるよう,小児期よりアドバイスを行う.
|
Q4. |
社会参加への対応は?
高校卒業後の進学例が増加している.できる限り電動車椅子操作を維持し,また座位保持が困難となってもパソコン利用を維持することが,社会参加の機会へつながると考える.就労支援に関する資源が十分でないのが現状で,必要なものを開拓するという意識が必要である.
|
Q5. |
リハビリテーション医のかかわりは?
当院では,小児科外来診療と並行してリハビリテーション指導を施行し,時期にあわせた,予後を見越した対応と説明を行っている.脊柱側弯対策・呼吸訓練・ADL環境整備アドバイスが主となる.家族が情報収集できるよう患者会の支援等も行っている.
|