Q1. |
パワーリハビリテーションとは?
力学の「仕事率」(または出力)を意味する「パワー(Power)」を増大させて,活動的な生活を取り戻し最終的に行動変容を目的とするリハビリテーション(以下リハ)の手法である. |
Q2. |
プログラムの科学的根拠は?
高齢者の活動力低下は「出力低下」によるとの先行研究による.出力(パワー,仕事率)は「動作性」と「体力」から構成され,高齢者の動作性低下は動作時における身体各所の不活動筋の存在によることから,これらの再活動化をはかるトレーニングである. |
Q3. |
対象者は?
単純な老化はもちろん,陳旧性脳卒中などの器質的障害に老化(または廃用症候群)が合併した虚弱および要介護高齢者(1〜5)のすべてが対象となる.その他,パーキンソン病(症候群)や痴呆などの疾患そのものへの改善効果が得られ報告されている. |
Q4. |
必要なスタッフ・機材,費用,行政との連携は?
スタッフは指導者と補助者に分かれ,前者には理学療法士・作業療法士・健康運動指導士などの専門職1名と健康管理の看護職,補助スタッフとして介護職など5〜6名を必要とする.機材はパワ−リハのトレーニング要件に合致したもので,安全性・機能・品質について公的な認証を受けたものとする.これには,パワーリハ研究会の推薦するドイツProxomed社Compassシリーズ6機種があり,費用はマシン1セットと人件費が中心となる.各地の自治体で介護予防の施策として委託するところが急増しており,この委託先として連携できる. |
Q5. |
どのような成果が得られたか?
介護予防・自立支援としてパワーリハに取り組んだ神奈川県川崎市では,要介護度(一次判定)の改善者が約8割,非該当率約5割に達するなどの成果が得られている. |