Q1. |
脊髄・神経根障害と末梢神経障害を鑑別するポイントは?
感覚障害や筋力低下,針筋電図異常が髄節支配領域に一致して生じているのか,末梢神経支配領域に一致して生じているのかによって鑑別する. |
Q2. |
運動麻痺の予後を診断するポイントは?
神経障害は予後の良い伝導ブロックと予後の悪い軸索変性に大別することができる.障害部位よりも末梢で神経を最大上刺激して記録されるM波の大きさ(陰性波の振幅や面積)が小さいほど軸索変性に陥っている神経線維の割合が多く予後が悪い. |
Q3. |
C5麻痺の診断のポイントは?
三角筋や棘上筋麻痺による肩外転筋力低下と小円筋や棘下筋麻痺による肩外旋筋力低下,さらにそれらよりもやや程度の軽い上腕二頭筋や腕橈骨筋麻痺による肘屈曲筋力低下が特徴である.それらに加え,橈側手根伸筋麻痺により軽度ではあるが手関節背屈力が低下する. |
Q4. |
C5麻痺の予後診断の方法は?
片側性麻痺において,鎖骨上窩を刺激して得られる三角筋M波の振幅や面積の患側/健側比が大きいほど予後が良い. |
Q5. |
下垂指(Finger drop)の鑑別診断のポイントは?
Saturday night palsyでは,上腕三頭筋を除くすべての手関節および指の伸筋筋力が低下し,後骨間神経症候群は上腕三頭筋に加え,回外筋と橈側手根伸筋が障害を免れるため背屈時のRadial
deviationが特徴的である.頸部神経根症による下垂指は,そのほとんどがC8神経根障害によると考えられ,橈骨神経支配筋だけでなく尺側手根屈筋や手内在筋にも明らかな筋力低下と針筋電図異常を伴う. |
Q6. |
手内在筋麻痺(Hand wasting)の鑑別診断のポイントは?
手内在筋は正中神経または尺骨神経によって支配され,髄節支配はいずれもC8とT1であることにもとづいて,手根管症候群,肘部管症候群やGuyon管症候群,圧迫性頸髄症や運動ニューロン疾患を鑑別する. |