Q1. |
保護者から多い訴え,相談は?
おもちゃ遊びに関しては,通常のおもちゃに興味を示さない,同じ遊びばかりを繰り返す,おもちゃの使い方にこだわりがあるなどの相談がある.言葉の問題では,意味のある言葉が出ない,言葉が増えないなどが多い相談である. |
Q2. |
問診のコツと検査所見を読むポイントは?
いずれの場合も,子どもの運動面,精神面の発達について,今までの発達経過を含め評価する必要がある.検査場面のみならず,保育園や家庭などの複数の状況における子どもの様子についても問う.また,その他に行動や情緒面で気になる点はないかを尋ね,診断に結びつく所見がないかを確認する. |
Q3. |
診察でのチェックポイントは?
年齢相応のおもちゃ遊びができているかをみる.その際,体や手の運動能力や人とのかかわり方,おもちゃの使い方などに注意を払う.言語面の発達に関しては,言語の理解や表出がどの程度できているかを確認する.指差しや表情などの発達についても評価する.さらに早期に診断すべき難聴も念頭に置き,聴性行動についても評価を行う. |
Q4. |
年齢ごとの正常範囲をふまえた評価は?
遊びに関しては,1歳では積み木などでバリエーションのある遊びをし,2歳では親と離れて友達と遊ぶようになり,3歳では役割のあるままごと遊びをし始める.
言語に関しては,乳児期中頃には喃語が出現し,1歳頃に「おいで」などの簡単な言葉がわかり,1歳半までにほとんどの子どもで有意語が現れる.2歳では「もう一つ」などの言葉を理解し,2語文を話す.3歳では大小や色の概念を理解し,3語文を話すようになる.
遊びや言語の発達には個人差も大きいが,半年から1年の遅れがあればフォローの必要があり,1年以上遅れている場合は問題とすべきであると考える. |
Q5. |
保護者への説明,アドバイスは?
保護者が子どもの状態を正確に捉えられるように,どのような面でどの程度の遅れがあるかということを丁寧に説明する. |
Q6. |
follow upと専門医への紹介は?
適切な治療や療育を早期に開始するため,なるべく速やかに専門機関へ紹介することが望ましい.しかしグレーゾーンの発達状況を示す児や保護者の理解を得にくいケースでは,follow
upの期間を設け,繰り返し評価や説明を行い,無理のない形で専門機関へ紹介する方がよい. |