Q1. |
術前のリハ評価・アプローチは?
片麻痺と関節位置覚障害の有無と程度,半側空間無視,身体失認,失行,痴呆の有無と程度,廃用(健側上下肢)の有無と程度,術前の歩行能力・ADLをチェックする.術前のリハとして両上肢,健側下肢の廃用予防,また仮性痴呆を惹起しないための適度な精神刺激を心がける. |
Q2. |
術後のリハ内容とその効果は?
術後のリハ内容は術翌日よりギャッジアップ可とし,2日目より端座位可,2〜5日目にて疼痛に応じてgentleに患肢可動域訓練を施行する.患肢荷重は手術法によって異なるが,1〜3週で全荷重になる例が多い.脳卒中,大腿骨頸部骨折で術前の歩行能力を獲得できるのは多くの報告で5割以上である. |
Q3. |
各様態(片麻痺の有無,骨折部位・程度,手術法)によるリハの違いは?
麻痺の重症度は歩行能力低下の絶対的要因とはならないが,非麻痺側を骨折した場合,また関節位置覚障害例では部分荷重の歩行導入は難しい.骨折のタイプよりは内固定の強度によって荷重プログラムは異なる. |
Q4. |
ハイリスク例への対応は?
頸部骨折を受傷する内的要因には骨粗鬆症の有無,片麻痺や半側空間無視などの身体・認知機能が関与し,外的要因としては家屋や介護環境が関与する.そのため骨粗鬆症に対する薬物・食事コントロール,家屋改造,家族の見守りが重要となる. |
Q5. |
ゴール設定は?
基本的には受傷前と同じ歩行,ADLレベルを目標として進めるが,加齢,廃用,併存疾患の悪化によってはゴールを低く設定することも検討する. |