Q1. |
画像診断の最近の進歩(トピックス)は?
脳血流SPECTやMRIを用いた虚血性ペナンブラ(ischemic penumbra)あるいはこれに相当する領域(tissue at
risk)の同定は,急性期脳梗塞に対する血栓溶解療法の適応判定に際し有用である.また,進行性脳卒中におけるtissue at riskの同定は,急性期血行再建術の適応判定に際して必要となる.MRI(T2*WI)による脳内微小出血(microbleeds)の診断は,血栓溶解療法に伴う脳内出血のリスク評価に役立つ. |
Q2. |
血管病変の画像診断は?
MRI検査中に短時間で行われる迅速MRAは,責任血管病変の非侵襲的評価法として有用性が高いが,狭搾度を過大評価する.CTAによる評価は,特に頸動脈の狭窄病変の診断・治療を進めるためなどに限定される.DSAは侵襲性が高いが,その診断精度は格段に高く,脳動脈の閉塞部位や側副血行路についての詳細な検討が可能となる.血管エコー検査により,頸動脈アテロームプラークの性状についての情報が得られる. |
Q3. |
脳組織障害の画像診断は?
CTでは超早期脳虚血病巣をearly CT signとして捉えることが可能で,その臨床的意義は急性期の血栓溶解療法の適応を決定する際の重要な判断根拠とされていることである.MRIでは拡散強調画像(DWI)により脳梗塞の超早期病巣(ischemic
core)の検出が可能である. |
Q4. |
脳循環障害の画像診断は?
脳血流SPECTでは,脳虚血域内のischemic penumbraに相当する領域を定量判定することができる.汎用性の高いCTでは灌流(perfusion)CTを追加することにより,血栓溶解療法の安全性や有効性を高めることが可能である.MRIでは拡散強調画像(DWI)と灌流強調画像(PWI)の併用によるdiffusion-perfusion
mismatchの診断がischemic penumbraに相当する領域をtissue at riskとして見出すうえで有用である. |