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■ソニッケアー フレックスケアーを用いたブラッシング
本誌28巻9号p.902とあわせてご覧ください.
 ソニッケアーは,高度なテクニックがなくても十分に効果が得られる製品ですが,使用する方,使い方次第で評価が分かれるようです.以下の内容に注意すれば,疑問解消の一助となり,より効果的にブラッシングができることでしょう.
●ブラッシング時のポイント
・ブラッシング圧は30g以下のソフトタッチ(押しつけすぎると,毛先の振幅が抑制される安全設計が施されていますので,安心して使用できる)
・歯面に当てた歯ブラシはできる限り静止させる
・毛先の向きを工夫する
・1/4顎あたり30秒を目安にブラッシングする
●歯ブラシの構造
使用時の手の動かし方,ブラシの角度をおおまかにご理解いただくため,以下の動画をご覧ください.
●磨き残しやすい部位
1)前歯部唇側および歯間部
①ブラッシング前の状態
②右上中切歯近心隅角部は,ブラシの角(トップから緩やかにカーブしている角)の部分を隣接面隅角部から歯頸部にかけて沿わせるように軽くのせます.ワンタフトブラシの毛先を入り込ませるような感覚で,トップを歯間部に入れてください
③左上中切歯近心隅角部は,ヒールの角を隣接面隅角部から歯頸部にかけて沿わせるように軽くのせます
④ブラッシング後.短時間でプラークが除去できました
2)下顎犬歯唇側および臼歯歯頸部隅角部
①ブラッシング前の状態.隣接面に磨き残しが見られます
②近心隅角部は,ブラシのトップ(先端部)またはヒール(柄に近い部分)の角を歯頸部に沿わせることで,1~3秒程度で磨けます.患者さんへのデモンストレーションに効果的な部位です
③遠心隅角部は,ブラシのトップ(先端部)角を歯頸部に沿わせるように軽く当てます
④ブラッシング後の状態.当て方を工夫することで,苦手意識から解放され,ブラッシングが楽しくなります
3)前歯部口蓋側舌側
①口蓋側の隣接面隅角部から歯頸部付近は,ブラシのヒール(後方部)先端を使用します
②口蓋平滑面は,ヒールの側面を平滑面に沿わせるため,柄をやや下方に傾けます
③前歯舌側歯間部は,上顎と同じようにブラシのヒール(後方部)先端を使用します
④前歯舌側平滑面は,ヒールの側面を平滑面に沿わせるために,柄をやや上方に傾けます
※上記のように使用すれば飛沫が少なく,平滑面のプラークやステインの除去効率が向上します
4)臼歯部口蓋側・舌側
①上顎口蓋側
ハンドルをやや立て気味にし,毛先を隣接面に差し込むように,毛先側面は歯肉にのせるように当てます
②下顎舌側
下顎舌側では,毛先を隣接面に差し込むように当て,歯ブラシ内面で隅角部歯面を包み込むようにします
●色素沈着物の除去
このような軽い色素沈着をよく目にすることと思います.患者さん自身では落とせないと思われがちですが,本製品によって除去することができます(左:ブラッシング前,右:ブラッシング後)
①上顎 ②下顎
①毛先を「下向き」にすると安定します
②毛先を「上向き」にすると安定します
※ペーストは低発泡,研磨剤配合のものを使用し,ブラシは広範囲の側面を使用します.押し付けず,離さず,というソフトタッチであれば,ペーストの飛び散りを防止できます
上下顎それぞれの実際のブラッシング時の様子を動画で確認しましょう.
●応用編--歯質強化
 上記の色素沈着の除去を目的とした当て方は,歯質強化用のペーストを効率的に歯面になじませる際にも有効で,沈着物の再付着防止にもつながります.
画像・動画提供:豊山とえ子/聖母歯科医院・歯科衛生士
動画撮影・編集協力:宮本孝之/株式会社ヨシダ

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