6月3日(日),東京大学安田講堂(東京都文京区)にて,第6回再生歯科シンポジウムが開催された.
本シンポジウムは,歯科における再生医療の普及と発展を目指す日本再生歯科フォーラムが主催するものだが,同フォーラムは2009年度をめどに日本再生医学会に合流し発展的に解消することが決まっている.
冒頭挨拶に立った本フォーラム代表の上田実教授(名古屋大学大学院頭頸部感覚器外科学,東京大学医科学研究所幹細胞組織医工学)は,再生医療は黎明期を終え臨床応用の段階に入っていること,歯科が再生医療全体をリードしていることを改めて強調した.
講演では,まず本田雅規氏(東京大学医科学研究所幹細胞組織医工学)が「歯の再生研究の最前線」と題し報告.世界の歯の再生研究を紹介し,胎生期の細胞と生後の細胞を使った場合の相違,培養上皮細胞による歯の再生の可能性などを解説した.
続いて古賀剛人氏(東京都開業)は「インプラント手術の偶発症:生命を脅かす口腔底大出血の検証」を発表.MIの美名のもとで必要なフラップを開けずに行われるインプラント手術によるリスク増加の現状に警鐘を鳴らし,手術解剖学とCT画像による術前計画の重要性を強く訴えた.
奥田一博准教授(新潟大学大学院歯周診断・再建学分野)は「培養骨膜シートを用いた歯周組織再生療法」について解説.PRPとハイドロキシアパタイトの混合移植材と培養骨膜シートの応用で好成績をあげていることを発表した.また学内でも歯科が再生医療の牽引役を果たしていると述べ,臨床応用への期待を高めた.
最後に北條元治氏(株式会社セルバンク)が「整容目的真皮線維芽細胞自家移植のサポート経験」のタイトルで,自身が形成外科医から東海大学発の再生医療ベンチャーの経営者となった経緯,医師主導型で医療をビジネスにすることの課題などをわかりやすく解説した.
