7月24日(土),25日(日)の2日間,東京商工会議所(東京都千代田区)にて,第31回日本歯内療法学会学術大会が,620名の参加者を集め開催された(大会長/中久木一乘氏・千葉県開業).
3題の特別講演では,「なぜレジン系シーラーか」との共通テーマのもと,Renato de Toledo Leonardo氏(ブラジル歯内療法学会副会長),Thomas Schwarze氏(ドイツ保存修復学会副会長),Martin Trope氏(ペンシルベニア大教授)により,レジンベースの根管充填システムの最新テクノロジーが紹介された.

また特別企画2では,また特別企画2では,「より安全な歯内療法のために」をテーマに田口正博氏(東京都開業),栗原英見教授(広島大),下川公一氏(福岡県開業)が講演.田口氏はスタンダードプリコーションの概念を解説するとともに,歯科治療での感染事故を防ぐための自院での取り組みを紹介した.栗原英見氏は,感染管理を負担の増加としてネガティブにとらえるのではなく,医療の質を高めるための取り組みとして,ポジティブにとらえる見方を提示するとともに,従来の歯内療法に,起因菌を同定したうえでの抗菌薬を使用を併用することで,治療効果をあげた症例を紹介した.下川氏はファイバーポストなどの材料や,CT,マイクロスコープなどの機器の登場で,歯内療法が大きく変化したことを症例を提示しながら述べるとともに,同学会に対しても,これらの変化に対応した新たな治療概念,指針を打ち出すよう期待を表明した.

シンポジウムでは,「健康,機能を回復する歯内療法」として,歯性感染と関連の深い他領域の疾患の現状から,医科-歯科の連携のあるべき姿について討論が行われた.皮膚疾患との関連については押村進氏(愛知県開業),佐藤貴浩氏(東医歯大・皮膚科)により,腎疾患との関連については堀田修氏(IgA腎症根治治療ネットワーク)により,それぞれ解説された.そのうえで,野杁由一郎氏(阪大・口腔分子感染制御学)により,根管治療がもつべき役割について総括された.
最新の治療手技を学べるテーブルクリニックも好評で,会場内に入りきれない聴衆が廊下に溢れていた.
「歯科治療の根幹Endoを熱く語る」との本大会のメインテーマから感じられるように,歯を守るEndo治療の研鑽こそが,国民の健康に寄与する歯科医師としてのあるべき姿であると改めて認識させられるプログラムであった.
