2月6日(土),7日(日)の2日間にわたって,標記会が科学技術館サイエンスホール(東京都千代田区)において開催され,約230名の参加者を集めた.
クワタカレッジは,桑田正博氏(現・愛歯技工専門学校校長)がアメリカより帰国後,歯科医師や歯科技工士に向けて氏が開発・研究した最先端の技術・知識を伝えるため開いた.1972年の第1期生25人に始まるが,本会は履修生が2,500人を超えたことを記念して開催されたものである.

初日は寺川國秀氏(東京都開業)がオープニングで登壇した.寺川氏は老人ホームで義歯を清掃している桑田氏のエピソードを紹介,生命を大切にする歯科医療における桑田氏の患者に対する思いを伝えた.
山崎長郎氏(東京都開業)が「審美修復治療と咬合」をテーマに,咬合を再構成する必要がある審美修復の症例を出し,このような症例における外科医,補綴医,技工士の重要性を述べた.
木村健二氏(協和デンタルラボラトリー)「多数歯欠損におけるインプラント上部構造の素材と設計」をテーマに,上部構造の適正な素材選択や,生体と調和する咬合の重要性について述べた.CAD/CAMの進歩など,時代の変化に伴って,何を残して何を変えるのかという選択が必要となっている現在,桑田氏の役割の重要性が指摘された.
Aki Yoshida氏(Gnathos Dental Studio)は「審美修復の為の歯科医師,技工士,患者のコミュニケーションについて」と題し,マテリアル,シェード,形態,表面性状をテーマに,感覚的な内容となりがちな技工物の選択について,科学的な裏付けをもったコミュニケーションの必要性を説いた.
北原信也氏(東京都開業)は「審美歯科治療の考え方と接着」をテーマに,ラミネートベニヤに注目した審美歯科治療を紹介した.
最後に今井俊広氏は,「咬合と顎口腔系の調和」と題して,咬合高径に注目した症例を紹介した.
2日目は桑田氏の講演「Dentistry is Occlusion!」に始まった.アメリカ留学当時に学んだことから,咬合に注目して行ってきたこれまでの活動を紹介.桑田氏がこれまでの活動や天然歯の観察によって得てきたエマージェンスプロファイルやスリープレーンコンセプト,トランジショナルラインアングル,カントゥアガイドラインなどの概念について説明した.そして,数十年,数百年では歯の形が変わらないため,天然歯の機能的な形態こそ最も大切であることを述べた.

J.コイス氏のビデオレクチャー「Functional Occlusion:The Three P's」では,Position,Place,Pathwayについて,実際の症例をもとに紹介した.
茂野啓示氏(京都府開業)の「審美修復治療の成功条件」では,桑田氏とともに行ってきた歯冠修復治療や咬合調整について紹介,さらに今回初めて公開された動的MRによる顎関節運動は会場の注目を集めていた.
渡邉誠氏(東北大)の「かみ合せの科学」では,これまで「正常咬合」とされてきたものがあまりにも概念的であり,数値の裏付けがなかったことを指摘.データによる「正常」を導き出すため,これまでにAnaBiterなどを利用して行ってきた研究成果について発表した.
吉永修氏(熊本県開業)は「クワタカレッジを受講して学んだこと」と題し,クワタカレッジ受講者として咬合に配慮した治療が可能となった点を,症例をもとに紹介した.
さらに,W.ゲラー氏,R.ゴールドスタイン氏,D.ガーバー氏よりビデオメッセージが送られた.そして,これまでの菊池公志氏,田村忠氏のクワタカレッジへの貢献を讃え,桑田氏より記念品が贈呈された.

最後に履修生を代表して吉永氏,茂野氏,今井氏,北原氏より,桑田氏へ記念品が贈呈された.
すべての講演の前後において,桑田氏がさまざまなエピソードを交えて演者の紹介を行い,同時に演者は講演内でクワタカレッジで学んだことに触れ,クワタカレッジの意義を再確認する場となった.また,桑田氏の日本国内のみならず世界的な業績を讃えると同時に,今後も変わらずに桑田氏が後進の指導を行い続けることを期待して,会を終えた.
【桑田正博氏の著作】
月刊「歯界展望」2月号,3月号
プロビジョナルレストレーションはどう作られ,どう使われるのか?
http://www.ishiyaku.co.jp/magazines/tenbo/index.cfm
月刊「歯界展望」別冊 Practical Occlusal Adjustment and Function 実践 咬合調整テクニック
http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.cfm?bookcode=350940
月刊「歯科技工」別冊 Biological Crown Contour 生体に調和する歯冠形態
http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.cfm?bookcode=360520
カラーアトラス セラモメタルテクノロジ- 1
http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.cfm?bookcode=430050
カラーアトラス セラモメタルテクノロジ- 2
http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.cfm?bookcode=430060