2009年11月20日(金),21日(土),栃木県総合文化センター(栃木県宇都宮市)において,「口腔ケアにおける機能的医療連携の創造―喫食障害の予防と改善を目指して―」をテーマに標記学会が開催された(大会長・今井 裕/獨協医科大学医学部口腔外科学講座教授).本学会は,保健・医療・福祉関連職種が連携を図り口腔ケアの実践・研修・調査・研究・情報交換などを行うことを目的とするもので,今大会では看護師,歯科医師,歯科衛生士など約700名,130題あまりを集めた.
本大会の大きなテーマは,口腔ケアの「標準化」「評価」「個別化」であり,4つのシンポジウムでは,口腔ケアの現在の潮流と今後の課題が職種横断的な立場から示された.
20日(金)に行われたシンポジウムⅠ「口腔ケアの標準化を考える」では,口腔ケアの普及のためには,職種によって異なる口腔ケアの技術・アセスメントの方法を場面・症状に応じて標準化することが必須であるとして,上林宏次氏(旭市保健所),伊賀弘起氏(兵庫医科大学歯科口腔外科学講座),岸本裕充氏(兵庫医科大学歯科口腔外科学講座),足立了平氏(神戸常盤大学短期大学部口腔保健学)らが登壇.行政,教育,臨床のそれぞれの立場から標準化への提言を行った.

↑シンポジウムⅠのディスカッションの様子
続くシンポジウムⅡでは,「口腔機能の理解から口腔ケアへの展開」と題して,斉藤一郎氏(鶴見大学歯学部口腔病理学講座)がドライマウスの原因とその対処法を,阪井丘芳氏(大阪大学大学院歯科研究科)が高齢者における嚥下機能療法について解説したほか,フランス料理のシェフでもある多田鐸介氏(株式会社 エス・アイ・ティー)が自社で開発した五感に訴える“おいしい介護職”の紹介を行った.
翌21日(土)には,シンポジウムⅢ「口腔ケアをどう評価するか」において多職種共通の口腔ケアアセスメントシート,大学病院看護部による口腔ケアの啓蒙活動が紹介され,シンポジウムⅣ「口腔ケアの個別化を考える」では,大田洋二郎氏(静岡県立がんセンター歯科口腔外科),岩渕博史氏(NHO栃木病院),松本吉洋氏(国立病院機構福岡病院),金田一純子(国立成育医療センター)らが脳血管障害患者,人口呼吸期装着患者,小児患者などにおける口腔ケアの注意点・具体的な手順等が示し,個別の病態に応じた口腔ケアのガイドラインの必要性について言及した.

↑特別講演「免疫力をつける生活 きれい社会の落とし穴」の演者・藤田紘一郎氏(東京医科歯科大学名誉教授)

↑教育講演「Oral Care is Critical Care」では,Cindy Kleiman氏(米国・フェニックス大学)が米国における病棟での口腔ケアについて解説した
次回大会は,2010年11月27日(土),28日(日),大阪国際交流センター(大阪市天王寺区)にて開催予定.