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第52回春季日本歯周病学会学術大会開催される Minimize
Location: Blogs歯科界ニュース学会・研究会レポート    
2009/05/19 18:20

 5月15日(金),16日(土),標記学術大会が「有病者・高齢者医療の中での歯周病治療の役割」をメインテーマに,岡山コンベンションセンター(ママカリフォーラム/岡山市北区)にて開催され,歯科医師,歯科衛生士を中心に約1,200名の参加者を集めた(大会長:高柴正悟氏/岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・教授).
 一日目(15日)の「シンポジウムI 有病者・高齢者の口腔(歯周病)治療」では,石丸文彦氏(岡山県赤十字血液センター),米山武義氏(米山歯科クリニック/静岡県開業),中島貴子氏(新潟大学医歯学総合病院歯科総合診療部),西村英紀氏(広島大学大学院医歯薬学総合研究科健康増進歯学分野)の4氏が登壇.米山氏は「歯科から提案する誤嚥性肺炎の予防戦略 ―歯周病治療が肺炎予防の要―」のなかで,日本人死亡率の第4位を占める肺炎は,罹患者の約9割が65歳以上の高齢者による誤嚥性肺炎であることを指摘し,口腔衛生管理が歯科疾患の予防・治療だけでなく,高齢者の肺炎予防にも繋がることから,その社会的意義を論じた.また,西村氏は「糖尿病と歯周病 ―歯周医学新時代~歯周医学と加齢医学の融合」と題し,歯周病は近年口腔局所の感染症だけでなく,軽微な慢性炎症としても認識されるようになったこと,糖尿病患者が歯周病に罹患すると,インスリン作用を阻害して血糖が下がりづらい状況や動脈硬化を促進させるなどの悪影響を及ぼすことから,糖尿病患者では歯周病の診断,治療も行うべきであり,歯周医学(ペリオドンタルメディシン)は炎症論から加齢医学を論じることにも通じると提言した.

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シンポジウムI の会場内の様子


 二日目(16日)の歯科衛生士・コメディカルスタッフシンポジウム(歯科衛生士教育講演)「有病者・高齢者医療における歯科衛生士・コメディカルスタッフの役割」では,金澤紀子氏((社)日本歯科衛生士会会長),藤原ゆみ氏(特定医療法人万成病院歯科),村松真澄氏(札幌市立大学看護学部)が登壇.金澤氏は,歯科衛生士法制定(1948年)から,二度の一部改正等(1935,1989年)の背景もふまえ,絶対的歯科医行為と,絶対的歯科医行為を除いた行為(相対的歯科医行為)を明確に表し,歯科衛生士の担う診療補助,歯科保健指導,在宅医療において歯科医療を進めるためのシステム構築の必要性などを論じた.金澤氏の発表を受け,座長を務めた沼部幸博氏(日本歯科大学生命歯学部歯周病学講座)は,すべての医行為には法的基盤があり,この理解がコメディカルスタッフの日常臨床においても不可欠であると加えた.藤原氏は他職種間でのチーム医療の実際を紹介するなかで,歯科衛生士の専門性をいかに発揮していくかについてを論じ,歯科医療職として多くの症例を経験したことを伝えるのではなく,一床例の中から多くの本質を探れるようでありたいと,他職種医療連携をリードしている歯科衛生士としての,診療における姿勢を場内の歯科衛生士に訴えた.

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歯科衛生士・コメディカルスタッフシンポジウムの会場内の様子


 シンポジウムIIでは,花田信弘氏(鶴見大学歯学部探索歯学講座),井上 孝氏(東京歯科大学臨床検査学・臨床病態生理学研究室),森田 学氏(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科予防歯科学分野),石井みどり氏(参議院議員)が「健康国家への挑戦 ―歯の健康力―」の題のもと講演.井上氏は歯周病が細菌感染によって生じるにもかかわらず,病態を把握するための細菌検査が行われていないことを指摘し,真にエビデンスに基づいた歯科医療の実現のために臨床検査の必要性について問題提起した.
 
 本大会のベストハイジニスト賞は,石井里加子氏(東京都立心身障害者口腔保健センター)が受賞.その他,市民公開講座として,「ハンセン病療養所における医療 ハンセン病療養所医療100年をふりかえる」や,一般演題,特別講演,ランチョンセミナー,ポスター発表など多彩なプログラムが組まれ,それぞれの会場では多くの聴講者を集め,盛況のうちに学術大会は幕を下ろした.

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ポスター会場の様子


 次回,第52回日本歯周病学会秋季学術大会は,同年10月10日(土),11日(日)に宮崎観光ホテル(宮崎市)にて開催される予定(大会長:前田勝正/九州大学大学院歯学研究院歯周疾患制御学分野・教授).

 

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