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「第26回 日本顎咬合学会学術大会・総会」開催される Minimize
Location: Blogs歯科界ニュース学会・研究会レポート    
2008/06/17 15:16

 6月14日(土),15日(日)の両日,東京国際フォーラム(東京都千代田区)にて標記学会が「歯科医療のフィロソフィーを考える」をメインテーマに開催され,基調講演や特別講演,歯科医師,歯科技工士,歯科衛生士の部門別講演やメーカーシンポジウムなどで構成される多彩なプログラムに,およそ2,700名(歯科医師約1700名,歯科技工士約200名,歯科衛生士約700名,研修医約50名)の歯科医療従事者らが参加した(大会会長;小林和一氏,プログラムチェアマン;南 清和氏).

 大会初日,開会式と稲盛和夫氏(京セラ名誉会長)の基調講演「生き方─心を磨く」に続き,学術プログラムの幕開けを飾った特別講演Ⅰでは,ワシントン大学矯正学のVincent G. Kokich教授が,「Interdisciplinary management of anterior dental esthetics」と題して講演した.歯列不正や先天性欠如歯,トゥースウェアなどのある患者に対し,前歯部に審美的な補綴治療を行うには,矯正医と補綴医によるインターディシプリナリーアプローチが必要であるが,歯を並べることだけが審美的な要素ではないとし,審美性を改善するために注意しなければならない5つの要素として,「顔面と歯列の正中線のずれ」「前歯の傾斜」「歯冠幅径」「歯冠長」「ブラックトライアングル」を提示.それぞれの要素について,一般人の許容範囲を調査した自身の研究結果を紹介し,医療者に比べ一般人では審美性の許容範囲が広いことを示した.そして,処置方針を決定するための診断項目と,インターディシプリナリーアプローチによる治療手順を,審美的な治療結果が得られた多くの臨床例とともに解説した.

 開催両日にわたって行われた「輝いているドクターリレー講演」では,南 昌宏氏(大阪府開業),土屋賢司氏(東京都開業)ほか著名な臨床家が歯周,咬合などを切り口に自らの臨床を語り,会場は立ち見が出る盛況ぶり.2日目午前の「若き歯科医師への提言」では,鈴木 尚氏(東京都開業)が登壇し,常識を踏まえた患者対応の重要性を強調したうえで,「これからの開業医には人間的な品格が問われると思います」と語り,歯科医の社会的地位を引き上げる努力の必要性を訴えた.
 また,同日午後の「現代歯科医療の最前線―咬合・審美・歯周・エンド・インプラント―」では,下川公一氏(福岡県開業)が,患者本来の顔貌の美しさを回復させ,不定愁訴も改善させた症例などを提示し,大きな関心を集めた.質疑応答では,複雑化・多様化する患者のニーズにどのように対応していくべきか,各演者が開業する都市の状況を踏まえた展望を述べた.

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【歯科衛生士関連】
 14日午後の歯科衛生士向けシンポジウム「これからの歯科医療に求められる歯科衛生士の役割」ではまず,「非外科的ペリオディブライドメントにおける新しいトレンドとコンセプト」と題してSherry Burns氏(ミズーリ大学歯学部/歯科衛生士)が登壇し,健康な歯周環境を達成するうえで重要となるインスツルメントデザインを紹介.超音波スケーラーとの併用でより力を発揮する手用スケーラーの選択基準が示され,続いて北原信也氏(東京都中央区開業),土屋和子氏(フリーランス/歯科衛生士)より,審美修復治療において歯科衛生士が果たすべき役割が症例を通して語られた.
 15日午後には「フィンランドの口腔ケアのチームコンセプト」をテーマに海外招聘演者のKimmo Suomalainen氏(ヘルシンキ大学/歯科医師)とErija Lehtonen氏(ヘルシンキ・ポリテクニク・スタディア/歯科衛生士)が,歯科学生と歯科衛生士学校生が同じカリキュラムで実習を行う,同国における「マルチプロフェッショナルトレーニング」や,歯周治療におけるチームでの取り組みについて発表し,患者を中心に据えたチーム医療について,歯科先進国とも言われる北欧での一例を供覧した.

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【歯科技工士関連】
 14日の「時代はオールセラミックス メタルフリーCAD/CAM」で最初に登壇した藤本光治氏(ミナミ歯科クリニック)は「ドクターとのコミュニケーションによるメタルフリーレストレーション~形態と色調の調和を目指して~」と題し,歯科医師から送られてくるデジタルデータについて,不必要に枚数を受け取るのではなく,必要なカットをあらかじめ歯科医師に伝えて技工作業の効率化を図る情報伝達のノウハウを提示した.
 15(日)の「進化するデンチャーワーク」では「Bio-Mimetic Cast Partial」との演目で川島 哲氏(ユニデント代表取締役)が講演し,永続性を重視したパーシャルデンチャーを念頭に,咀嚼力のコントロールの生理学的意味合いを加えた歯科技工士としての意見・提案としての“基本設計”を示し,模型設計の初期段階から歯科医師と積極的に関わっていくことの重要性を指摘.午後の「ファンクショナル オクルージョンレストレーション」においては「咬合のデザイン」と題して登壇した榊原功二氏(榊原デンタルラボ)が,頭部X線規格写真を用いて,写真上で咬合平面の傾斜,スピーの彎曲,オクルーザルガイダンスの傾斜を詳説.そこで決定した各要素を咬合器上に落とし込み,「咬合器に何をさせたいか」を明確にしてから咬合器を使用することの意義を訴えた.また,片岡繁夫氏(大阪セラミックトレーニングセンター)が行った,若き歯科技工士への提言「Harmony」は若手歯科技工士で超満員となり,各歯部における補綴物製作上の具体的な注意点を示すとともに,歯科医師や患者との関わり方についても展開し,世界的に著名な歯科技工士として後身に熱く語りかけていた.

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  また,展示ホールで行われたテーブルクリニックでは,明日からの臨床に直結する実践的なテーマでの発表が行われ,会場各所に演者を囲んだ人の輪ができ,活発な質疑応答が展開されていた.

 なお,次回大会は2009年6月13日(土),14日(日),同会場にて開催予定となっている(プログラムチェアマン:山影俊一氏).

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