3月2日(日),福岡市の九州大学医学部百年講堂にて,標記発表会が開催され,全国から約800人の参加者が集まった.同研究会は九州や中国地方の開業医を中心とした伝統あるスタディグループで,幅広い年齢層の臨床医が切磋琢磨し,成果を積極的に全国に発信している.今回の発表会では「根尖病変と骨縁下欠損 開業医としての歯牙保存へのこだわり」をテーマに,40歳前後の若手が中心となってプログラムを構成した.

新人発表では田中憲一氏(福岡県勤務医)が「補綴前処置への取り組み~歯周外科処置への挑戦!~」,倉富覚氏(福岡県開業)が「歯牙移動を用いた歯周組織の改善への取り組み」と題して,それぞれ講演.「新人」らしからぬ症例の完成度と考察に,会場から賞賛の声があがった.
会員発表では木村英生氏(福岡県開業)が「CO2レーザーを用いた歯周環境改善への取り組み」として,歯内療法から再生療法まで,さまざまな症例への応用を供覧.上田秀朗氏(福岡県開業)は「歯周疾患症例におけるインプラントの留意点」として,歯周病患者の口腔全体の再構成という観点から咬合の与え方の留意点などを解説した.立和名靖彦氏(福岡県開業)は,歯内療法を行った250本以上の歯牙について,その成功率を調査.みずからの治療の結果を,厳しく検証する臨床姿勢に多くの参加者が感銘を受けていた.
メインテーマに基づく午後のシンポジウムでは,座長として酒井和正氏(福岡県開業),小松智成氏(山口県開業),演者として甲斐康晴氏(福岡県開業),重田幸司郎氏(山口県開業),樋口琢善氏(福岡県開業),倉富覚氏が登壇.これからの歯科界を担う若手開業医が,経営や生活との折り合いに悩みながらも,日々の臨床で歯牙保存に徹底的なこだわりをもつ姿を見せつけた.会場を巻き込んだディスカッションを通して,同じような悩みや葛藤をもつ同年代の歯科医師はおおいに鼓舞され,先輩にあたる年代からはさまざまなアドバイスが示された.
基本治療の習得を長年徹底して行い,それを脈々と継承しながら,新たな治療を積極的に取り入れる.そんな研究会全体の「こだわり」が随所に感じられる発表会となった.