1月27日(日),仙台市の「ハーネル仙台」にて,標記講演会が開催された.テーマは「咬合の長期安定」.各演者がそれぞれ歯周病,インプラントの立場から咬合の安定に必要な考え方を伝え,最後に症例に基づくディスカッションを行う形式をとった.


モデレーターの佐々木啓一教授(東北大)は「補綴歯科治療と歯周病」のテーマで講演.欠損歯列をパーシャルデンチャーで補綴した患者に関する後向き研究を紹介し,支台歯の生存率などについて「臨床実感との違い」を示しながら,参加者に問題提起をした.さらに補綴物および支台歯にかかる「力」について,最新の研究成果を供覧した.
島内英俊教授(東北大)は「歯周病患者における安定した長期的予後を求めて」として,日常診療のdecision makingに必要なエビデンスを整理.歯周病罹患歯の長期予後,外科と非外科の予後の違い,GTRとエムドゲインの術後成績の比較,インプラントの長期予後といった観点で,さまざまな研究を紹介した.
武田孝之氏(東京都開業)は,失敗症例も含めた多数の長期症例を示しながら,インプラントによって得られる「効果」が,巷間言われている程度より,はるかに限定的であることを繰り返し説明.その限られた「効果」を引き出すためどのようなリスクを考慮すべきかを,欠損歯列の評価,インプラント周囲炎,「力」など,幅広い視点から示した.
最後に平河内禎彦氏(仙台市開業)が,歯周病罹患患者におけるパーシャルデンチャーによる欠損補綴例を提示.下顎位,咬合高径の決め方,補綴設計についてなど,参加者からの質問を交えながら,各演者が活発なディスカッションを行った.