2017/02/13
2月11日（土），秋葉原UDX（東京都千代田区）にて標記セミナーが開催された（主催：株式会社スマイルケア）．本セミナーは口腔がんの病態や治療，社会的背景などを学び，口腔がんによって失われていた命を救うために必要な「診る知識」を修得することを目的に企画された．
まず，「歯科医療プロフェッションが人の尊厳を守る」と題し，川口浩司氏（鶴見大学歯学部口腔顎顔面外科学講座 准教授）が登壇．口腔がんを早期に発見するための診断のポイントを実症例に基づき詳説した．そして「異変に気づき，すぐに専門機関へ紹介すること」「愛をもって卒煙させ，口腔がん患者を減らすこと」「学校健診で，舌側傾斜歯，鋭利な咬頭を見逃さず，対応すること」，これら3点を実践していくことが最も重要であると結論づけた．
次に「口腔がん撲滅委員会の活動」と題し，中谷泰志氏（口腔がん撲滅委員会 代表）が登壇．米国の口腔がんへの取り組みを紹介し，日本では地域の歯科医院において口腔がんを早期に発見するための体制が整っていないことを指摘した．そして，歯科医療従事者が口腔がんについて学ぶ機会が少ない点や，承認されたスクリーニング装置がない点などを改善していく必要があると述べた．
本セミナーは基礎的な内容から実際の症例に至るまで，口腔がんについて幅広く学ぶことのできた貴重な機会であった．