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第4回日本口腔筋機能療法(MFT)学会学術大会開催される
 10月20日(木),ベルサール九段(東京都千代田区)にて,第4回日本口腔筋機能療法(MFT)学会学術大会が「口腔機能をどのように向上させるか」をテーマに開催された.1日目の学会研修会には約370名,2日目の学術大会には約550名が参加し,大盛況を博した.
 特別講演では,山田好秋氏(東京歯科大学口腔科学研究センター客員教授/新潟大学名誉教授)が「咀嚼と脳機能」と題して登壇し,食べる機能とそれを操る脳の仕組みについて解説した.咀嚼には食べ物を粉砕する役割,食べ物の安全を保つという役割があるとし,口腔の状態は脳の機能と密接な関わりがあることを強調しし,口腔ケアや咀嚼の訓練が高齢者の健康を保つうえでいかに重要であるかを論じた.
 つづいて「小児の口腔機能の向上を目指して」と題したシンポジウムが開催された.まず「子どもの口腔機能を育むMFT―実践例から学んだこと―」と題し,川端順子氏(カノミ矯正・小児歯科クリニック/歯科衛生士)が登壇.MFTによって小児の口腔機能が改善した多数の症例を示しながら,咀嚼を具体的に実践することの重要性や,実際に小児に食べ物を食べてもらう様子をビデオ撮影して保護者にフィードバックするといった臨床の実際についても詳説した.
 次に,「当院で行っている態癖ならびに口腔周囲の悪習癖改善への取り組みについて」と題し,岡崎綾子氏(小川矯正歯科/歯科衛生士)が登壇.頬杖や睡眠態癖などによる不正咬合の症例を示し,どのような指導を行ったのか,どういった変化が起きたのか詳説した.低年齢時における不正咬合は態癖を治すことで本来への成長へ導くことが重要であると強調し,患者さんのモチベーションが途切れないように指導することが必要であると論じた.
 教育講演では「口腔機能のシステムとしての発達を考える―口腔機能のメカニズムとプロセスの見方・考え方―」と題し,元開富士雄氏(神奈川県開業)が登壇.口腔機能の質を向上させるには口腔機能をシステムとしてとらえる必要があると述べ,口腔機能を支えるメカニズムやプロセスについて詳説した.加えて口腔機能の質の向上には「筋力」「協調性」「圧感覚」が重要であり,これらはすべてが相互に関係していることから総合的に医院から支援することが重要であると論じた.

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