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「イノベーション・ジャパン2016 ~大学見本市&ビジネスマッチング~」開催される
8月25日(木)~26日(金),東京ビッグサイト(江東区有明)にて「知の創造~新たな結合による価値の創出」をスローガンに表記大会が開催され,500を超える大学の研究者とベンチャー・中小企業などが参加した.
毎年20,000人を超える人々が集まる
今年で13回目を迎えるこの大会では,大学や公的研究機関などから創出された研究成果の社会還元,技術移転を促進すること,実用化に向けた産学連携のマッチングが促進されることで新たな産業が創出されることが期待されている.
医療分野ではいくつか歯科関係の展示も見ることができた.
田野ルミ氏(埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科講師)による『歯科における禁煙支援のプログラムおよびツールの開発』では,現在,医科禁煙外来が担っている禁煙治療に対し,口腔から直接情報を得ることのできる歯科領域だからこそ可能なアプローチもあるとして歯科における禁煙支援プログラム・ツールを提案した.歯科受診者に対する口腔保健学臨床に基づく研究から臭気成分・唾液性状における喫煙者と非喫煙者との相違や禁煙に伴う変化など,口腔領域の客観的評価に関する知見が得られ,それがプログラム・ツールの開発につながっていると田野氏は語る.

歯科領域から禁煙支援プログラムを提案する田野ルミ氏(右端)
歯科領域以外の医学分野からは阿部尚央氏(弘前大学医学部附属病院耳鼻咽喉科講師)による『唾液腺内視鏡手術を容易にするシースダイレーター』では,頸部を外切開する従来の唾石症の治療法より低侵襲な内視鏡手術を容易にする手術支援器具が提案された.
また,濱本和彦氏(東海大学情報通信学部情報メディア学科教授)による『歯牙状態診断システムに関する研究』は医師の説明の際に,患者が歯科エックス線画像から自身の歯牙状態を理解することが難しいのではないかという患者目線から出発した研究とのことである.これは歯科エックス線画像から歯牙の欠損や内部状態を自動判断し,患者に分かりやすいように色をつけて表示するもので,その後予想される病変の進行具合をシミュレーションして表示する機能もあり、よりわかりやすい患者説明を可能にしている.
多種多様な企業,研究機関が参加するこのようなイベントで研究の成果を発表することで,歯科界の新たな可能性が開かれることを期待する.

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